四苦八苦
四苦八苦と言う言葉があります。これは仏教用語で、人間が生きていく上で避けられない苦しみです。特にその中でも「四苦」は最も厳しい苦で、「生」「老」「病」「死」を意味します。
病気が苦しいことは分かりますが「老いの苦しみ」と言っても歳をとるのは仕方のないこと。また、「死の苦しみ」と言っても自覚症状は全くありません。
実は、お釈迦様の説かれた「苦」とは、古代インドの言葉で「ドウッカ」と発音し、「思う様にならない」という意味だそうです。
確かに「生まれて来ること」「老いること」「病気になること」「死ぬこと」…どれも思う様になりません。
何ともならないのに何とかしようともがくと、そこに苦しみが生まれます。だから、中国で漢字に翻訳されるときに「苦」と訳したそうです。
お釈迦さまは、苦から逃れるためには、そのまま受け入れれば良いと説かれました。
「あきらめ」とは、「明らかに見て受け入れる」ことで、その上で自分に出来ることを精一杯することだそうです。
江戸時代の禅僧、良寛さんの住んでいた地方に大きな地震がありました。良寛さんは知人への手紙で「災難にあう時節は災難にあうがよい。死ぬ時節には死ぬがよい。これが災難を逃れる妙法」と書かれたそうです。
何ともならないのに、何とかして欲しいと子供のようにもがくのが私たち人間です。しかし、そんな私たちに向かって母親のように「まかせなさい」と引き受けてくださる方、それが仏様です。その仏様に「南無」とまかせることこそ、苦を逃れる妙法なのです。