美のコミュニケーション
人は生まれたときから産湯を使い、毎朝顔を洗います。そして命ある限り美しくありたいと願います。美を求めることは人が生きる事の本質だとも言えます。
実は、茶道の求めるところも、この美にあります。「茶道は、美を軸とした人間交流術」という言い方が出来るかも知れません。
とかく、人間の気持は複雑なものです。だから、いきなりこれをぶっつけ合ってコミュニケーションしていくのは難しい。それゆえ、「美一点」に接点を絞り、互いの美意識をゆっくりと確かめ合いながらコミュニケーションを深めていく…これが茶道の目指すところです。
行儀作法のためにお茶を習うのが間違っているとは言いませんが、本来、目的とするところではありません。
茶席では、道具、花、料理、建築、立ち振る舞い…総てに美の会話があります。
花に求められる四つの清らかさ「四清」は、
「清き竹に」「清き水を注ぎ」「清き花を」「清き心で生ける」こと。
言葉ではなく、花の美しさを介して亭主と客の心が交わされます。
茶の稽古は「美」の勉強であり、
美しい心を養うためのものと言っても過言ではありません。