滋賀ガイドトップへ
前のページへ
心のページ
このページは市民から人格者と認められ、思想的に偏らない方に事務局からボランティアをお願いし、悩みの多い青少年や市民にメッセージを送っていただくコーナーです。
松山 克子さん

昭和17年東京生まれ。東京藝術大学付属音楽高校を経て同大学音楽学部卒業。県立石山高校音楽科フルート科講師を19年間務め、多くの優秀なフルーティストを育てる。22年前にフルートオーケストラ湖笛の会を結成し、3回の海外公演を行うなどその活躍は常に注目を集めている。日本フルート協会常任理事、フルートコンクールの審査員等を務める。県社会教育委員、各種審議会委員、甲西町教育委員長、甲賀郡初の女性PTA会長などの実績から推され2001年より甲西町議会議員、現在2期目。

今週(8月12日号)、毎日新聞の情報紙
「Oh!Me」に掲載された心のページ

子育てと仕事
「フルートとお子さんとどちらが大切ですか?」22年前、「フルートオーケストラ湖笛の会」を立ち上げた時、新聞記者から受けた質問である。今思うと何と失礼なインタービューであろうか。女性だけで結成したフルートオーケストラは全国で初めてだということもあり、マスコミにも大いに取り上げられた。また、こちらも社会的に認められたいという気負いがあった。何とかカッコよく答えたい…しかし、「子供です」と答えれば「何だ、やっぱり片手間仕事か」と言われそうでその場はどちらともいえない返事をして逃れた。
その後、「湖笛の会」が軌道に乗ってくると、あのとき「子供です!」と答えられなかった自分を悔やみだした。今ならすかさず、堂々とそう答えたのに―と。
でも、最近は違う。そもそも「仕事」と「子供」を同列にすることがおかしい。また、「男女共同参画型社会」が叫ばれている今なら、こんな質問は有り得ない。まして、マスコミから出たとなれば、そちらの方が大きなニュースになる。22年という歳月はやはり軽くない。
私は「湖笛の会」のメンバーの結婚式に呼ばれると、「家庭の中では妻の母親のプロになってほしい、フルートを持ったら音楽のプロであってほしい」とスピーチに加えている。
私の場合、仕事をしながら3人の子供を「育てさせてもらった」ことによって今の自分がある。どちらが欠けても今の自分はあり得ないのだ。
一足早く、男女共同参画型「家庭」で過ごして来られたことを夫、子供に感謝している。
そして今、願うこと、それは「男女共同参画型社会」が叫ばれているその裏側で、今尚、女性がまだまだ周囲の深い理解を必要とする現実が残っているが、それを乗り越えて胸を張って家事・育児・仕事のプロとなって欲しいこと。その努力の積み重ねが未来を開くのだから。