滋賀ガイドトップへ
前のページへ
心のページ
このページは市民から人格者と認められ、思想的に偏らない方に事務局からボランティアをお願いし、悩みの多い青少年や市民にメッセージを送っていただくコーナーです。

松田 保さん

1948年滋賀県生まれ。
金沢大学教育学部卒業。県立甲南高校、県立守山高校、県立守山北高校にて33年間の高校教諭を務める。その間、1993年よりU-15、16、17の日本ユース代表監督に就任し、1994年第6回U-16アジアユース選手権大会優勝。翌年の1995年には、第3回U-17ワールドユース選手権大会の指揮を執る。2001年には日本サッカー協会公認S級コーチライセンス取得。現在、びわこ成蹊大学スポーツ大学スポーツ学部競技スポーツ学科助教授。

今週(10月14日号)、毎日新聞の情報紙
「Oh!Me」に掲載された心のページ

井原の歯医者事件
ある日、私はミーティングで、「プロになるような運動選手には、虫歯が一本もない」と話をした。いざというときに歯を食いしばって筋力の緊張を一気に高めなければならないからだ。スポーツ選手にとってかみあわせは重要で、特に「瞬間的に1トンはかかる」と言われる奥歯の虫歯は致命的である。また、かみ合せの不具合は背骨のゆがみにつながり、食物のかみ砕きが悪く、栄養摂取の効率も低下する。
そんな話をしてしばらく経ったある日、井原がやってきて「今日から歯医者に通院したいから5時で帰らせてほしい」と言うのだ。
驚いた私は、もちろん早退を許可した。彼は一流選手になるための強いモチベーションと、一流になるための「決意」をこの時期から持っていたのだ
彼の母親の話によると、小学生のころから試合の前の日はスパイクを磨いて湿ったタオルで巻き、ユニホームをたたんで枕元に置いて寝ていたという。
自分のやりたいことをしっかりと生活の
中心に置き、将来設計を立てながら、自立したスポーツマンの生活習慣を持っていたのである。
スポーツは実践学問であり、常に合理的に、勇気を持って判断し、行動することが尊ばれる。サッカーを通して学んだことがその後、そのまま彼の生き方となっていった。
彼はよく「サッカーはハートでするもの」と言うが、私がミーティングで何度も繰り返した言葉で、彼がその言葉どおりの人生を歩んでいることに今さらながら感心させられる。

好評発売中!

『一流選手を育てるとはどういうことか』
「運」と「人」を引き寄せる力

松田 保著 二見書房 1,470円