アートレポートバックナンバー

SOULFUL CHRISTMAS 2003 Howard Tate

2004年12月14日(日)17:00 開演 [ルッチプラザ・ベルホール310 ]


鮮やかなブルーのスーツで彼は登場した。 まさかハワード・テイトが滋賀に来るなんて・・・半信半疑だった感情は、ブランクを感じさせない彼の声量の前にかき消された。

来日公演最終日だったせいか、終始リラックスしたライブだった。前列にいた老夫婦は、最初クラシックを聞くような緊張した面持ちだったが、次第に彼の声に圧倒されながらもリズムをとっていたのが印象深い。地方の公演ではよくあることだが客層は実に幅広く、子供を抱いたお母さんの姿も。ほのぼのとした雰囲気に触発されてかハワード・テイトがステージから降りてきてファンとハグをする場面もあった。「実際は優しい笑顔で語りかけてくれるとても気さくな方でした」と語ってくれたのは、今回の公演を担当したルッチプラザの西川美香さん。「写真のイメージでは、ソウルの大御所だけあってちょっと近づき難く怖そうなんですが・・・」。

海外のアーティストを招くときには気を遣うことが多い。特に苦労するのが食事だそうだ。今回の公演でもバンドメンバーやスタッフでハワード・テイトご一行様が十数名。移動や食事の手配だけでもひと仕事だ。ご一行様の一番人気はフライドチキンだったそうだ。それでも
山東町のルッチプラザでは、毎年クリスマスの時期に海外のアーティストを招いてクリスマススペシャルライブを行っている。一昨年にはプラターズが来日してここでライブを行った。「煙が目にしみる」「オンリーユー」で有名なあのプラターズである。ルッチプラザは決して大きなホールではない。席数は山東からとって310(サントー)席でびわ湖ホールの小ホールより小さい。客席は前席との高低差を大きめに設けてあるためステージとの距離が近く感じる。たまたまかもしれないがハワード・テイトが登場したとき欧米人独特の甘い香水の匂いを感じたぐらいだ。

今回の公演でハワード・テイトはもちろんすばらしかったがそれ以上にルッチプラザのファンになってしまった。これからもすばらしい企画を期待しています。(北)

《公演の紹介》
伝説のソウル・シンガー、ハワード・テイトの復活ライブ。2003年のクリスマス、日本でのライブ開催が実現し、来日3公演のうちの1つがルッチプラザ・ベルホール310での開催となった。


●出演者プロフィール

ハワード テイト

1939年エバートン生まれ、その後家族と共にフィラデルフィアに移り住んだハワード・テイト。幼少の頃から教会でゴスペルを歌い、地元フィラデルフィアでは10代の頃から既に大スターであった。

1967年にリリースしたデビューアルバム『Get It While You Can』が大ヒット。このアルバムは今日では"60年代のソウル・クラシック"としてソウルの名盤に数えられている。その後当時流行のソウル・テイストをゴスペルに取り入れ、数々のヒットを飛ばしたが芸能界に嫌気がさし70年代には引退してしまった。その後一部で彼へのカルト的な支持が広まっていく中で、次第にドラッグとアルコールにはまり、堕落の道を歩みはじめる。

しかし、1994年精神的に目覚め、牧師としてホームレスや中毒者、精神病患者を助ける為に働き出した。歌は教会の中だけで歌っていた。2001年、かつての盟友ジェリー・ラコバイと偶然に再開し、彼をプロデューサーに迎え、奇跡の復活を果たす。ブランクがあるとは思えないその声量は、多くのファンを驚かせ、彼を敬愛する多くのミュージシャンから共演の話も尽きない。B.Bキングやジャニス・ジョップリン、グランド・ファンク・レイルロードなどは彼の曲をカバーしている。

●関連リンク
山東町ルッチプラザ

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