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米作りから新しい味に挑む 日本酒の良さを若い人に

掲載日: 2015.10.27

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畑酒造有限会社 代表取締役 畑 大治郎さん(東近江市在住・47歳)

「若い人にもっと日本酒の良さを知ってほしい」。東近江市にある畑酒造の4代目蔵元・畑大治郎さんは、代々伝わる銘柄「喜量能(きりょうよし)」の味を守 りながら新しい味の銘柄「大治郎(だいじろう)」を創り出した。新成人を迎える若者と米から一緒に酒を造る「19歳の酒プロジェクト」に関わるなど、若者 に日本酒のおいしさを伝えるために奮闘している。

このままでは続かない

創業100年の酒蔵の長男に生まれた畑さんが酒造りを手伝いはじめたのは22歳のとき。4年間、大阪の酒販店で修業した後、満を持してのスタートだった。 だが、そのころからディスカウントストアの進出にともない価格競争が激しくなり、畑さんのような小さな蔵元は苦戦を強いられるようになった。さらに、若者 の日本酒離れも徐々に進行していた。
「個性的で高品質なブランド酒を造らなければ、造り酒屋を維持していくのは難しい」
ロングセラーの「喜量能」とは別に、新時代にマッチした日本酒を造ろうと決心した。

料理と味わうために

目標にしたのは、香りと口当たりが柔らかく、米と米麹(こうじ)だけの素朴で味わい深い酒。個性が強過ぎると若い人に嫌われる。料理と一緒に味わうことで酒自体の味が引き立つように、素朴な味で料理の邪魔をしないようにと考えた。
最初に着手したのは酒の原料の酒米を変更すること。地元で熱心に米作りに取り組む知り合いの農家と契約し、酒造好適米の栽培を始めた。近年では自社田での酒米造りにも取り組んでいる。
神経を使ったのは米を蒸す前の米の吸水率。たとえ1㌫でも違うと米がふっくらと蒸し上がらないからだ。1本の仕込みの大きさも、以前は白米が1.5㌧も入る大きなものを使っていたが、1㌧以下の小さなものに切り替え、自分の目でしっかりと発酵を確かめるように気を配った。
こうして、ようやく酒が完成したのが1999年。創業者の名前であり、自分の名前でもある「大治郎」と名付けた。2010年からは自ら杜氏(とうじ)として酒を醸している。
「大治郎」を販売店に知ってもらうために何軒も酒店を回って試飲してもらった。その結果、売り上げが徐々に伸び始めた。近年は手作り感のある高品質な酒に興味を持つ人が増え、評価が口コミで広まりつつある。

 

田植えから仕込みまで

「19歳の酒プロジェクト」に関わり始めたのは4年前。田植えから始まり、かかし作り、稲刈り、酒の仕込みまで1年を通して酒造りを体験し、20歳を迎え たときに自分たちで作った酒を味わうというもの。大阪の酒店から企画を持ちかけられ、自社田と酒蔵を提供している。
料亭で修業中の青年や日本酒の愛好サークルに所属する大学生なども参加している。
4期目を迎え、参加者は過去最多の38人。女性の参加者が多いという。田んぼに初めて入ると、ほとんどの参加者は大騒ぎになり、最後に出来上がった酒で乾杯するときには盛り上りもピークに達するという。
「若者に手作りの日本酒を味わってほしい。バカ飲みするのではなく、おいしい料理と一緒にゆっくり飲んでほしいです。日本酒を好きになって農業や物作りに興味を持ってもらえればうれしいですね」
(取材・鋒山)

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