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掲載日: 2006.07.26

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NPO法人「スミス会議」のみなさん

スミス記念堂の中

今回の素敵な人は、和風建築の教会「スミス記念堂」の移転再築工事に取り組むNPO法人「スミス会議」(理事長・筒井正夫滋賀大教授)のみなさん。
先月2日、旧市立病院看護婦宿舎跡地で上棟式が開かれ、多くの市民らが集まった。そこで副理事長の滋賀大学経済学部教授・森將豪さんにお話をうかがった。

総ヒノキ造りの礼拝堂

葡萄と十字架が彫られた梁

パーシー・アルメリン・スミス牧師

スミス記念堂は昭和のはじめ、伝道のために彦根に赴任していたパーシー・アルメリン・スミス牧師(1875~1945年、アメリカ・イリノイ州出身)が1931(昭和6)年に彦根城の堀ばたに建てた珍しい和風礼拝堂である。
スミス氏は彦根高商(現・滋賀大学経済学部)の英語教師も務めており、彦根城の美しさと地元の人々に強く心を惹かれていた。それゆえ、両親の慰霊と日米の交流を願い、日本人にも親しみやすいように寺院建築を取り入れたと言う。そして、扉、瓦、梁に葡萄と十字架を施した。

解体の危機から救え!

森將豪さん

当時のスミス記念堂

ところが、1996(平成8)年に彦根市の道路拡張工事をするのに伴い、市から建物の撤去を命じられた。そのことを知った滋賀大学の筒井正夫教授らは歴史的価値の高い建物の保存を訴え、学生たちや地元の市民とともに保存運動を開始した。
この建物はスミス氏の私財と、彦根市民をはじめとする日米両国での募金によって建てられた貴重なもの。市民の力で建てられた礼拝堂だからこそ、市民の力で残すことに価値があると教授らは訴えた。

市民の力で再建を

同年「スミス記念堂を彦根に保存する会」が結成され、移築に必要とされる費用4,000万円の募金活動、解体工事の中止の訴え、そして移築先の土地探しが始まった。
「市民の力で再建したい」と、市議会で保存を訴え、建物の見学会や説明会を開いたり、また募金活動やチャリティーコンサートを開催したりと精力的な活動が続けられた。その結果、解体の中止が決まり、教会から無償で建物を譲り受けることになった。
平成15年には「保存する会」を改めて、「NPO法人スミス会議」とし、移築先の土地の確保と目標額の半分である2,000万円の募金を集めることに成功した。
上棟式の日はあいにくの雨だったが、保存運動に賛同する多くの市民が集まり、厳かな儀式を見守っていた。
森教授は残りの資金もできるだけ募金で賄いたいという。また、「完成した後は、国際交流や文化活動、生涯学習の場として活用したい」と意欲的だった。
彦根の新しいまちづくりがまた一つ、スミス記念堂から始まった。
(取材・竹末)

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