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掲載日: 2011.02.2

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東レ滋賀陸上部 前田 賀屋子さん

昨年12月、マレーシアで行われた第16回アジアマスターズ陸上競技選手権大会に日本代表として出場した前田賀屋子さん。55歳の今も世界のアスリートたちとの交流を楽しみながら三つのメダルを獲得、ハンマー投げ3大会連続優勝など華々しい成果を上げている。

コミュニケーションが楽しい

前田さんがマスターズ陸上と出合ったのは38歳のとき。マスターズ陸上とは、生涯、同年代の人と楽しく競技ができるように5歳刻みでクラス分けされた競技会だ。だから普通のスポーツ選手なら引退している年齢になっても競技が楽しめる。

今年55歳。マスターズ陸上のやり投げ、ハンマー投げ、砲丸投げ、円盤投げ、重量投げの投てき5種の選手として第一線で活躍している。
最初は短距離選手だった。高校の陸上部、卒業後に入社した東レの陸上部でも短距離を専門にやってきた。

投てきに変えたのは、同年代の人と楽しくスポーツができるマスターズ陸上に参加したことがきっかけだった。

生涯、スポーツを楽しみながらやっていきたいと考えるようになった。他の選手とのコミュニケーションが少なく、ピリピリとした雰囲気の短距離ではなく、フィールドで選手同士が話のできる投てきに取り組みたいと思った。良い成績を一緒に喜んだり互いに励まし合ったり、投げ方を教え合ったりしてすぐ友達になれることに魅力を感じたからだ。03年、道具をそろえて本格的に競技を始めた。

女子W45重量投げの 日本記録を樹立

中学校時代にソフトボールの経験があったためか、ぐんぐんと上達した。
06年には、大分で行われた全日本実業団対抗選手権大会に出場、アテネ五輪にも出た室伏由佳さんと競技ができたことがとても刺激になった。
2年に1度のアジアマスターズ陸上競技選手権大会にはこれまでに4回出場し、毎回メダルを獲得している。さらに04年、マスターズ陸上女子W45クラスの重量投げで10㍍33の日本記録を出し、この記録は今も破られていない。
昨年のアジアマスターズ陸上競技選手権大会では「絶対に勝つ」と周りに宣言。ハンマー投げで「金」、やり投げで「銀」、円盤投げで「銅」と三つのメダルを獲得。ハンマー投げは3回連続の優勝となった。

生涯スポーツで得た 新友・親友・心友

海外の試合で得られたのは他の選手に対する気遣いと思いやり。選手として参加するだけでなく、誰もが良い環境で競技ができるよう精神面でサポートするなど、選手だからこそできることがある。仲間と支え合ったり目標に向かって一緒に練習したり……。生涯スポーツを通して新友、親友、心友とさまざまな形の友にも出会えた。
「いつでも誰でもどこでもできる生涯スポーツの普及に役立ちたい」とマスターズ陸上の世話役もしている。海外の競技会に出たときは結果速報を日本に配信、得意の情報処理をいかして記録集の作成にも携わっている。(取材・澤井)

 

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