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掲載日: 2013.04.23

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前・近江八幡市立沖島小学校校長 加藤 高明さん(野洲市在住・57歳)

日本でただ一つ、淡水湖の中にある人の住む島「沖島」(面積1.5平方㌔㍍、人口約350人)。この島の小学校長だった加藤高明(かとうたかあき)さんは、過疎と高齢化が進む島の環境を逆手にとり、自らが考える“理想の教育”を実践してきた。島の魅力的な教育に引かれ現在、全児童11人のうち4人が島外から通っている。

「へき地赴任辞令」に歓喜!

「やった!」
3年前、沖島小学校赴任の辞令を受けたとき、心の中で歓喜した。かねてより、へき地教育にこそ教育の基本があると考えていたからだ。
へき地と呼ばれる学校の子どもたちは都会の子どもと比べて経験が少ない。
だから、知識だけでは不十分だ。子どもの時期にさまざまな体験をさせる全人教育が必要になる。「自分の考える理想の教育をストレートに実践していかねば」「自然体験や、コミュニティー体験は充分できるだろうから島内だけでなく、島以外の子どもも『通いたくなる学校』にしていきたい……」。頭の中でさまざまな思いが次々と浮かんできたという。
創立120年を迎えた歴史ある沖島小学校だが、人口減少に伴い、近江八幡市内のどの学区からでも通学できる小規模特認校に指定されている。

島の魅力をアピール

赴任して力を入れたのは、まず沖島小学校の魅力を整理し強化していくこと。さらに、これを広く知らせていくことだった。
魅力の第一のポイントは、わずか11人の児童を7人の教員で教えている少人数教育。
教員が子どもとほぼ1対1できめ細かく教えている。保護者との連携も強く、家庭と学校の一体感が強い。同じ校舎の1階に幼稚園、2階に小学校があり、校長が園長を兼務。行事も給食も幼・小一緒で、9年間を見据えた教育が行なわれている。
第二のポイントは目の前に琵琶湖あり、後ろに山ありという抜群の自然環境。
遠泳大会、魚釣り大会、また毎月の山登り。さらに、学校の畑で野菜を作り、山で採れた冬イチゴを収穫し、ジャムにして食べる。春はサクラの花を塩漬けにし、6年生がクッキーにしてお世話になった人たちに配ったり……。冬は朽木へ全学年一緒にスキー教室へ。だから卒業時には全員が泳げるようになりスキーもできる。
第三のポイントは地域と共にあること。
「沖島は一つの家族」といわれ、みんな仲良しだ。共同体のようなこの島の社会で、人と人のつながりの大切さを実感し、子どもたちは育っている。秋の運動会は沖島町自治会と合同で行われ、毎年200人近い島民が参加。月1回の学習参観日には親だけでなく、町民も参観できる。
そして第四は沖島太鼓。これは全校生による文化活動で、すばらしい仲間作りの場だ。秋には市内の音楽会でも披露し、頼まれれば訪問演奏もする。
沖島小学校のコンセプトは「まなび・こころ・からだ・あい」。学校の魅力をまとめて渡船の中や船乗り場待合室、港の掲示板などに掲示してアピールしたところ、島外からの通学者が増えたという。

生き方選びを助けたい

学生時代、子ども向けの宿泊行事の手伝いをしているうちに、子どもと接する面白さを知った。将来に向かってどんな生き方をしようかと探っているのが子ども時代。子どもたちが生き方を選ぶ手助けをしたい。こんな思いから教師になって34年になる。
4月に近江八幡市安土の老蘇小学校に転任した。沖島での3年間が存分に活かされていくに違いない。
(取材・越智田)

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