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掲載日: 2014.07.2

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声楽家 中嶋 俊晴さん(彦根市出身、ウィーン在住・28歳)

オーストリアのウィーン国立音楽大学大学院で学びながら日本国内で公演活動を続けている声楽家の中嶋俊晴(なかじまとしはる)さん。
周囲の反対を押し切って芸大に進学したが、声楽家への道は決して緩やかではなかったという。

反対された音楽への道

8歳のとき、姉がピアノを演奏しているのを聞いただけで自分も弾けるようになったという中嶋さん。多くの賞を受賞するほどの腕前だったが、親からは「音楽よりもスポーツを」と野球を強く勧められた。
高校に入ってからはミュージカルに興味を持ち、声楽を勉強していこうと決心したもののこれも親から反対され、学校の進路指導の時間でも教師から「考え直してみては……」とアドバイスされた。
だが、それで諦める中嶋さんではなかった。1年浪人をしたものの、念願の京都市立芸術大学の声楽専攻に合格した。

ストレスで発声が困難に

大学に入学してみると同期の14人は、ほとんど子どものときから音楽のレッスンを受けてきており、レベルの高さに驚いた。
中嶋さんのパートはバリトン。2年生に進級したものの自信が無い状態が続いた。そんな時、ふとファルセットはどうだろうかと考えた。
ファルセットとは、女性のアルトからメゾソプラノの声域を男性が歌う裏声のことで、この声域は「カウンターテナー」と呼ばれて独特の魅力をもっている。
歌舞伎の女形が男性でもない女性でもない独特の魅力があるのと似ている。
中嶋さんは早速、練習を始めたが、今度はまた別の問題が持ち上がってきた。周りの評価や学内での順位を気にするあまり、ストレスのために声が出なくなってしまったのだ。

恩師の言葉に支えられ

中嶋さんが声が出ないという絶望から立ち直ることができたのは、大学で師事していた声楽家の三井ツヤ子さんのおかげだという。「必ず声が出るようになる」と三井さんからねばり強く励まされたのだ。
「自分の音楽を貫く勇気と力を与えてくださった。歌を通して自分自身と対峙することの大切さを教えてくださったおかげで、その後は大きくぶれることなく歌い続けてこられました」
大学卒業後は声が元に戻り、さらに東京芸術大学大学院に進学。現在、ウィーン国立音楽大学大学院で勉強している。
中嶋さんの歌声はウィーンで評価が高く、昨年の第2回シューベルト国際歌曲コンクール(オーストリア・シュタイアー)で絶賛され、入賞を果たした。

やっと両親に認められた

ようやく音楽の世界で生きることを両親が認めてくれるようになった。しかし、その直後に父の病気ががんだと分かり、今年2月に他界。無念さを嘆く。
2年前から京都や彦根で「話を交えながら町家コンサート」を始めた。今年も10月から数カ月間日本に滞在し、10月に町家コンサートを開く。生前父が楽しみにしていたシリーズだ。
「大きいコンサートホールとはまた違った温かい演奏会です。お客さんに近い距離で、日本の歌曲をたくさん歌わせてもらうことを楽しみにしています」
(取材・澤井)

 

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