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掲載日: 2015.01.6

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鳥瞰図作家 延木 由起子さん(守山市在住・54歳)

飛ぶ鳥が空から見下ろしたような地図や絵の技法「鳥瞰図(ちょうかんず)」。守山市の延木(のぶき)家は、京都の南禅寺や仁和寺など多くの社寺の鳥瞰図を描いてきた。3代目の延木由起子(のぶきゆきこ)さんは、伝統を引き継ぐ一方で新しい手法も取り入れ、高い評価を受けている。

現地歩いて感覚つかみ

京都駅ビル

鳥瞰図は地図や平面図と違って立体的に描かれる。航空写真を使ったり、CAD(コンピューターのデザインソフト)で平面図から立体的な透視図にしていく人もいるが、延木さんの場合はまず現地を歩いて感覚をつかみ、自分が鳥になったつもりで手で描いていく。葛飾北斎(かつしかほくさい)や歌川広重(うたがわひろしげ)の時代と変わらない昔ながらの方法だ。 例えば、寺院の境内(けいだい)図を描く場合は現地をくまなく歩き、全体の広さや道幅などを頭に叩き込むためにスケッチする。 場所が広い場合は70~80枚にもなる。 「お寺や神社などは大きな木が多く、航空写真などで上から見ても、建物が詳しく見えないことが多いのです」 できる限りの資料を集めてから下絵に入り、丁寧に彩色して完成する。 本来の縮尺なら1枚の紙に収まらない離れた場所を描き込んだり、細かい部分を大きく強調したりすることもある。 それらが不自然に見えないように全体を画面に上手く収めるのがコツだそうだ。 航空写真では表現できないものが、鳥瞰図なら表現できるのだという。

自分の方法模索

県立琵琶湖博物館

鳥瞰図の仕事は祖父の友太郎(ともたろう)さんと父の甲野(こうの)さんが始め、延木さんは子どものころから2人の仕事を見て育った。 甲野さんは日光東照宮や比叡山延暦寺などを手掛けた寺社鳥瞰図の第一人者。延木さんは学生時代から甲野さんを手伝いながら勉強した。「父は『頭の中に測量計がある』と言っていました。私は感覚だけでは難しい部分もあったので、自分なりの方法を模索しました」 甲野さんに「自分の住んでいるところを描いてみなさい」と勧められて、対象に選んだのは鯖街道。ここは比良山系や丹波山系などに囲まれ、山の起伏を正確に描くのが難しい。 描く方法に悩んでいたとき、図書館でブロックダイヤグラムについての本に出合った。これをヒントに延木さんは地形図をもとに斜め上から透視して山を立体化する方法を見つけ、山並みを正確に描くことに成功した。

見る人が癒やされる絵を

舞鶴西港

これまでに描いた作品は、京都駅ビル、鯖街道、県立琵琶湖博物館、永源寺ダム、陶芸の森、あいとうマーガレットステーションなど70点以上。現在は「見る人が癒やされる絵」を目標に、2014年4月まで15年間住んでいた伊香立の集落を描いている。 「目標は人の息づかいが伝わってくる絵、心が癒やされる絵です。描き手の人生が絵に出るので、多趣味でさまざまな経験を積んだ父のように、自分も経験値を増やさないといけませんね。広い視野で物事を考えるトレーニングになりますから、中学や高校の美術にも取り入れてもらえたらうれしいです」 (取材・福本)

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