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生まれ育った感性で 滋賀の鉄道の魅力を表現

掲載日: 2017.04.17

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辻󠄀 良樹さん(東近江市在住・50歳)

フリー鉄道ライターの辻󠄀 良樹(つじ  よしき)さんは、東京から生まれ育った滋賀に活動拠点を移して20年。郷土の鉄道にまつわる歴史も収められた「関西鉄道考古学探見」(JTBパブリッシング)の著者でもある。また、「ガチャコンズ-近江鉄道応援隊」のメンバーとして、時どきの人と鉄道が織りなす沿線風景を発信している。

 

 

編集者を経て、フリーの鉄道ライターに

「滋賀は街道時代から交通の要衝で、鉄道についても同じことが言え、案外知られていませんが、国鉄が指定保存した鉄道記念物が“現地”に一番多く残るところです」と辻󠄀さん。物心ついたときから鉄道が大好きで、家の窓から毎日眺めていた。小学5年生のとき、既に時刻表を買って鉄道の旅プランをたて草津線沿線を旅した。
作文も大好きで、中学生のときには「将来は鉄道紀行作家になる!」と決めていたという。
高校に入ると青春18きっぷ(当時は青春のびのびきっぷ)を利用して、遠方まで出かけ鉄道の旅の楽しさを満喫した。辻󠄀さんは、どちらかと言うと、生活に密着した路線が好きで、なかでも思い出の路線は、初めて泊りがけで出掛けた国鉄(現:JR)飯田線で、当時鉄道ファンから旧型国電の宝庫として人気があった。だが辻󠄀さんはむしろ、豊橋から辰野間(約195㎞)に駅が小刻みに94駅もあり、6時間53分も掛けて山間の路線を旅することに関心をもった。初めて遠征した高校生にとって各駅に停車しながら全区間を乗り通すことは非日常的な冒険だった。時刻表を見ながら「この駅ではどのような人が乗り降りするのだろう」「この区間ではどんな景色が見られるのだろう」と好奇心を誘った。
東京で鉄道PR誌の編集の仕事を経て25歳でフリーの鉄道ライターに。
明けても暮れても鉄道の旅の企画書を懸命に書き続け、多くの出版社に提案したが返事がくるのは2、3通だった。しかし数年後ようやく弘済出版社(現・交通新聞社)の「鉄道ダイヤ情報」や、日本交通公社の「旅」などに記事が採用されるようになり、NHKの人気若者番組から出演依頼があって、全国放送されたこともあった。

故郷の鉄道を再発見

当時出版社では滋賀の鉄道に関する企画は少なく、廃線後のルポといった編集者が関心を持ってくれそうなことを企画したり、帰省するたびに電車に乗って、自分の足で歩き調べあげたことを提案したりするなど、さまざまな切り口で企画書を書いた。
「昔、滋賀に帰り近江鉄道に乗ると、乗客がいない貸切電車のようなときがあり、車窓から沿線を眺めていると、地元の日常の生活風景が次々と飛びこみ心地よかった。やっぱり生まれ育った滋賀に戻って鉄道の魅力を発信しようと思いましたね。」
30歳のとき地元に腰を下ろそうと決心した。滋賀の鉄道を生まれ育った感性で表現しようと思った。
戻ってしばらくは仕事が減ったが人のつながりに支えられ、徐々に仕事が増えてきた。「湖国と文化」(㈶県文化振興事業団)の連載や、草津線全通120周年記念のパンフレット作成や講演会、近江鉄道の写真個展など、地域に根ざした活動ができるのがうれしいという。
書籍も多数出版しており、「関西鉄道考古学探見」(JTBパブリッシング)では滋賀のページをたくさん割き、今まで調査してきた鉄道関係の道標を紹介するなど、興味深い内容になっている。

近江鉄道の魅力を発信

戦前からの時刻表や切符はもちろん、駅弁の包み紙(掛紙)や汽車土瓶、さらに古い絵葉書や沿線案内、広報資料など、昔日の汽車旅を楽しんだ人々の痕跡を多数所蔵する辻󠄀さん。社史や鉄道書もかなりある。「これらは若いころから収集してきたもので、鉄道博物館や国立国会図書館にさえ存在しないものもあります」。資料庫には、辻󠄀さんの鉄道研究歴を物語るように、膨大な鉄道資料があり、特に滋賀県関係についてはあらゆるものを収集してきた。
「近江鉄道は120年も社名の変更がなく、鉄道会社の社名として日本最長記録を更新中ですから、地方私鉄の枠に留まらない歴史の豊富さがあり、地元研究家として興味が尽きません」「また、近江鉄道沿線を歩くと、駅の方向を示す古びた石造りの道標があり、古くから近江鉄道が利用されてきたことを物語っています」。
このような、線路から離れたところにも鉄道の歴史を垣間見ようとする辻󠄀さん。いわゆる鉄チャンと呼ばれる人とは異なった視点をお持ちのようだ。
全国の鉄道に関しても単行本をはじめ、多数執筆してきた辻󠄀さん。その経験は、鉄道を活かした地域活性化に活かされ、自治体や観光協会主催の鉄道ツアーで語り部も行う。さらに、フェイスブック「ガチャコンズ近江鉄道応援隊」を有志で立ち上げ、より幅広い人々に鉄道や沿線の魅力を知ってもらう活動も行っている。
「これだけ女性ファンが多いとは思いませんでした」「女性の目線は、鉄道の可能性を探るうえでとても大切。男性ファンとは異なった感性でドシドシ投稿をお待ちしてます」とのこと。気軽に参加してもらえればと辻さんは語る。
(取材・鋒山)

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