ひらり工房 平田 利隆さん(46歳) (ひらたとしたか) 今回の素敵な人は、「木製パズル」や「飛び出すアート」を作る平田利隆さん(46)。甲賀市水口町にある「ひらり工房」を訪ねた。 じっくり考える力を 平田さんが「木製パズル」や「飛び出すアート」を手作りするようになったのは10年ほど前のこと。小学校教諭である平田さんはテレビゲームに熱中する子供たちを見て強い危機感を抱いた。 子供たちは考える間もなく反射的に手を動かすばかり。これでは物事をじっくり考える力がなくなるのでは?そこで昔よく遊んだパズルを作ってみることにした。 パズルならゆっくり自分のペースで遊べるし、一つひとつ形の違うピースから何かをイメージする力もつく。昔ながらの素朴な遊びは現代っ子たちもひきつけるはずと考えた。 こうして生まれたのが平田さんオリジナルの「木製パズル」。厚みのある木片を使った「積み木パズル」や「ピクチャーパズル」。さらに漢字や言葉をデザインした「メッセージパズル」など。かわいくてユニークな作品は今では200点以上になる。 ゲームで得られぬ楽しさ 次に取り組んだのが一枚の紙から作る「飛び出すアート」。 紙は手軽で細工しやすく、子供と一緒に作ることができる。カッターナイフで切れ目を入れて、折ったり丸めたり。丁寧に形を整えるとやがて動物や花が立体的に現れる。 ゲームでは得られない楽しさだ。 平田さんは「ひらり工房」以外にも各地で工作教室や「紙と木の展覧会」を開くなど活動の場を広げている。 工作教室では、クワガタムシやカブトムシを作った子供たちが「1枚の紙からこんなおもしろいものができる!」と目を輝かせるという。 手作りの良さを伝えたい 「子供は一人ひとりがたくさんの知識や能力を持っています。それを何かに生かして欲しい」と平田さん。これからもその日その時に感じたことを形にして、手作りのぬくもりを伝えていくことが夢。 巧みな技と優しさあふれる作品。そして平田さんの生き生きした表情が印象に残った。 (取材・川上)