心のページ
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このページは市民から人格者と認められ、思想的に偏らない方に事務局からボランティアをお願いし、悩みの多い青少年や市民にメッセージを送っていただくコーナーです。



坂井孝之さん
プロフィール

昭和21年東京生まれ。
2歳の時、病気で失明。3歳より横浜訓盲学院で学ぶ。
高校2年生の時フルートと出会い、新井力夫氏に師事。
1970年第20回全国盲学生音楽コンクールにて優勝。
フルートのほか、リコーダー、オカリーナ、ケーナ、篠笛(しのぶえ)などを演奏。
「笛吹きおじさん」を自称。
現在、マッサージ、はり業のかたわら、各地で演奏活動を行っている。
2004年NHK教育TV「きらっと生きる」に出演。

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今週(1月1日・8日合併号)、毎日新聞の情報紙
「Oh!Me」に掲載された心のページ

2004.1.1

ガリヤーノコンサート


今、住んでいる中主町に越した頃は寂しく、不安だった。

人口1万人の町で仕事になるのだろうか?西宮で一緒に音楽をしていた友達はどうしているのか?気がかりなことは多かった。しかし2〜3年もたつと子どもを通しての友人ができ始めホームコンサートをするまでになった。

子どもたちが習っているピアノを披露したりお母さんたちのリコーダーアンサンブルがあったり、なんと中主町には音大を卒業後ウィーンに留学したフルーティストもおられた。音楽会を終えてから、手づくりおやつを食べて子どもも大人も楽しんだ。

仕事の方も思ったよりも繁盛し、ひと安心だった。我家から始まったホームコンサートは我が家から保育園、有隣館、さざなみホールのホワイエと、まるでヤドカリのように場所を替え、成長していった。

そして、現在は「ガリヤーノコンサート」として、今年21回を迎える。吹きたガリヤさん、弾きたガリヤさん、歌いたガリヤさん、聞きたガリヤさん、おやつが出るので食べたガリヤさん…。いろんな「ガリヤ」とルネッサンス舞曲ガリヤード(ガイヤルド・ガリヤルダなどとも言う)をくっつけて私が名づけた。

今では楽器の種類もフルート、ピアノ、リコーダー、オーボエ、サクソフォーン、金管合奏、ギター、声楽、朗読と広がり、楽しさいっぱいだ。毎年8月、最終日曜日、1時30分から中主町のさざなみホール・ホワイエで開かれている。横浜、西宮…引っ越すたびに別れた友や、滋賀で会った友と年に一度出会えることで私は「さびしガリヤ」でなくなった。

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