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苦節を経て受賞した日展特選
恩師 中路融人先生にささげたい

掲載日: 2023.03.1

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画家 今村 市良(いまむら いちろう)さん(東近江市在住・70歳)

東近江市在住の日本画家今村市良(いまむらいちろう)さんが、2022年度の日展で特選を受賞した。
2011年から毎年日展に出品し、12回目で初の快挙を果たした。
画家として半世紀。高校卒業後掛け軸の絵師を生業とする傍らひたすら日本画の美を追い求めてきたが、その背景には文化功労者の日本画家中路融人(1933~2017)画伯との出会いがあった。

絵師として

今村さんが絵の道に進もうと思ったきっかけは、高校時代の美術教師から油絵を学んだことだった。
高校卒業後、恩師の計らいで掛け軸を制作・販売する岐阜の会社に絵師として就職。寮に入り1日3枚、月平均70~80枚の絵を描いた。絵心のある若者が全国から集まり、寮生は100名近くになったこともあったという。山水画や風景画を好んで描いた今村さん。描けば描くほど収入は増えたが3年ほど勤めた後退職し、名品がどこよりも多く観賞できる東京で約2年間、制作を続けながら絵画の見識を深めた。
いずれ実家に戻ることを決めていた今村さん。「制作はどこでもできる」と、仕事場を東近江市の実家に移し制作に励んだ。

中路融人画伯との出会い

譲り受けた、中路画伯愛用の色鉛筆

町内誌に掲載された、朝日新聞社賞受賞の「祭り」

46歳のとき(1996年)、新進気鋭の画人発掘を目的とした五個荘町(現・東近江市)主催の「てんびんの里日本画コンクール」に出品した作品が読売新聞社賞を受賞。同じく2003年に朝日新聞社賞を受賞した。今村さんの作品は審査にあたった日本芸術院会員の中路融人画伯の目に留まることとなり、その後の揺るぎない師弟関係が続くきっかけとなった。
京都の自宅に毎月スケッチや小下図(こしたず)を持って指導を受けに行ったり、生活面でも助言を受けたりした。中路先生から言われた忘れられない言葉はたくさんあるが、今村さんが座右の銘にしているのは「好きでしている仕事だから命を懸けて制作しなければならない。周りの人に感謝しなさい」
今村さんの画室には、中路画伯から生前譲り受けたという岩絵の具や画伯の展覧会ポスターなどが貼られている。

古木の生命力を表現

受賞作品「生生(せいせい)」は、縦2.5メートル、横1.6メートルの画面に、樹齢300年以上といわれるシイの古木をモチーフに描いた作品で、柔らかなタッチの中に古木の生命力が表現されている。
モデルとなったシイの木は福井県敦賀市の西福寺にあり、若いころ雑誌で見て感動し改めてスケッチに出かけたという。
昨年股関節の手術をした今村さん。高齢の母親の介護をしながら制作を続ける毎日だが、「最近命のことを考えるようになりました。生命力を感じさせる古木に、母と自分の病気を重ね合わせ絵にしました。体の続く限りこれからも作品を発表していきたいです」(取材・髙山)

 

●お問い合わせ
滋賀県東近江市小池町98
TEL:0749-45-0772

 

 

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