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掲載日: 2004.09.30

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劇団異国幻燈舎座長 宮沢十馬さん

今回の素敵な人は、劇団異国幻燈舎の座長でありながら養護学校の教員でもある宮沢十馬さん(43才)。

2001年に他の劇団長達と共に「演劇友の会」を設立し、記念すべき初公演を今年6月に終了。その興奮覚めやらぬ中、熱っぽく語ってくれた。

ストーリーは怪獣映画から、演出はロックバンドから学ぶ

宮沢さんは、幼い時は怪獣映画が大好きで、怪獣のおもちゃとお風呂につかりながら、いかに戦わせるかなど、ストーリーを一所懸命練っていた。「だからお風呂の長い子供でした(笑)」と語る。
その後、高校ではロックにどっぷり浸り「音楽で飯を食おう」とバンド活動に熱中。
”KISS”や”QUEEN”などが大好きで、特にQUEENの演出に惚れ込んだ。それは、今でも舞台づくりに影響を与えている。

バンドは解散・・・養護教員を目指す

しかしバンドを組んでやって行くうちに、「俺達には足りない物がいっぱいあるな」と気付き解散。そんな折、養護学校の見学に行く機会があり、ある生徒が作った陶器をみて、そこでショックを受けた。「これは自分には作れない!何だろう?」という感覚が、大きな刺激となって、もっと彼等を知りたい、深く勉強したいと思うようになった。大学へは、迷わず福祉学科を選び養護教員を目指した。

唐十郎のテント芝居に既成概念を壊される

演劇との出会いは、大学で先輩の芝居を観た時だった。自分の好きなロック音楽を使い、オリジナルの脚本で舞台をしている劇団がある事を知り興味を惹いた。それから唐十郎のテント芝居を観たのが決定的となった。テントの中にある特殊な空間が、終演後にテントの布がめくられて、外の空気が中に入り込んでくる…こんな舞台があるんだ!こんなに自由でいいんだ!やってみたい!この感覚がたまらなかった。とにかく音楽にしろ、演劇にしろ、どこか反社会的な物に憧れた。唐十郎のテント芝居で感じた「既成概念を壊したい」という思いがそうさせた。

演劇のエネルギーをもらう仕事場

現在、養護教員をしながら劇団の座長をこなす宮沢さん。「両立は大変ですが仕事場では演劇のエネルギーをもらっています」と語る。肉体的にはかなりきついが、精神的にはバランスがとれているという。芝居があるから仕事のストレスも溜まらない。教師と演劇はまったく別物。ただ、音楽で生徒に語りかけたりするのは、「想いを表現する」という点で芝居と似ている。今でも仕事場では日々学ぶ事が多く、人間とは何か?と自問自答したり、自分を見つめ直すきっかけになっている。

滋賀の劇団同志が刺激しあう『演劇友の会』を発足(演劇友の会:Drama, Wrestle, Friendship 以下D.W.F)

宮沢さんは、かねてから次世代に手渡せるような演劇シーンを作り上げなければ滋賀に演劇の文化が育たないという思いがあった。しかし、滋賀の演劇は他府県と比べ、遅れていて面白い芝居が少ないというのが現実。県下の劇団には団員が少なく、準備(大道具、小道具、広報、当日の受付など)に手が回らず、結局できばえの悪い舞台になっているところも多い。この状況を変えるために、2001年に劇団の枠を超え団員同志が学びあい、交流し、協力しあえる場『演劇友の会D.W.F』を立ち上げた。

D.W.Fは、「誰が来ても良いところ、ちょっと奇跡が起こる場所」

演劇は間口が広く、様々な人が参加できる空間。演技をする人、音響をする人、舞台装置を作る人…。人前で演じるのは苦手だという人でも、演劇が好きであれば、何らかのかたちで参加する事ができるのが魅力だ。「ひとりひとりがこだわりを持ちながら、協力しあえば内容の濃い作品が出来ます。『時間』『お金』『労力』は演劇に必要な事ですが、それぞれに限りがあるとしても自分でものを考え、納得してすすめる事が大切です。それが出来てはじめて、きっちりとした舞台装置や演技ができ、得る物があるのです」。
『風も吹かない路地裏に風を吹かせろ』は宮沢さんが好きな言葉。風とは物事が動く様(さま)で、「小さな奇跡を起こしたい」という意味で、自分のテーマでもあり芝居のベースにもなっている。

演劇の魅力はロマン

「演劇の魅力とは ロマンです。何もないところに芝居小屋ができ、役者が演じ、またもとの何もない空間に戻る。そこが魅力です。またその一度きりの空間を、頭に焼き付け、思い出すのがいいですね」。その魅力を沢山の人に知ってもらうために、滋賀の演劇をレベルアップさせ、もっとでかい芝居をしたいと願う。今の子供たちが大きくなる頃には、大阪などに演劇を観に行く必要がないぐらいの見ごたえのある劇団、舞台、劇場を増やす事が夢だ。

「滋賀で働きながら、いい芝居をしたいという人が活躍でき、そこから文化が生まれたら、素敵だと思いませんか?そして最終的には自分が大きなホールを持てたら、最高ですね(笑)」。

<記者編集後記>
今回私もD.W.Fに参加させてもらった。とてもフランクで和気あいあいとし、誰でも気軽に参加できる雰囲気だったのが印象的だった。興味のある人は一度訪ねてみる事をお勧めする。詳しくはホームページから。

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