近江製茶株式会社工場長 玉井 隆治さん
近江製茶株式会社工場長
玉井 隆治さん（46歳）
今回の素敵な人は、近江製茶株式会社の玉井隆治さん。利き茶（茶歌舞伎）で全国1位のお茶のスペシャリストである。
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近江製茶株式会社工場長
玉井 隆治さん（46歳）
今回の素敵な人は、近江製茶株式会社の玉井隆治さん。利き茶（茶歌舞伎）で全国1位のお茶のスペシャリストである。
古くから近江茶の産地として名高い土山町。玉井さんは、創業130年を迎える近江製茶（株）の工場長として、日々おいしいお茶づくりに情熱を注ぐ。
玉井さんの仕事は、農家から届けられたお茶の原料である「荒茶」の良し悪しを審査すること。さらにそれを独自の方法でブレンドする。
玉井さんのお茶を見極める力は「全国茶審査技術競技大会」でも証明されている。この大会は、お茶の産地である京都や静岡など、12府県から約120名が集まり、お茶の審査技術を競うもの。茶葉の見た目と香り、そして味から、お茶の品種や収穫の時期、生産地を識別する。玉井さんはこの大会で3度も優勝を果たし、広くその実力が認められている。
お茶の専業農家に生まれた玉井さん。高校卒業後は農業の専門学校で茶業を学び、水口町の茶業指導所で経験を積んだ。20歳で近江製茶（株）に入社。お茶一筋の人生だ。
お茶はブレンドの方法によって個性が出る。これが本当におもしろいという。「自分の作ったお茶がお客様に喜んでいただけるのが一番うれしい」と目を輝かせる。
玉井さんの仕事に風邪は大敵。でも特に気をつけているわけでもないが、ここ何年も風邪をひかず、花粉症でもない。これもお茶に含まれるカテキンの殺菌作用のお蔭だとか……。最近はペットボトル入りのお茶が人気だが「ぜひ急須を使ってゆっくりお茶を入れて欲しい」とのこと。
中国から伝わったお茶は、室町時代になると将軍を中心とするサロンで嗜好品というよりは薬として盛んに用いられていたと言われている。しかし近年、ビタミン類はもちろんのこと、抗酸化成分やその他の保健成分が豊富に含まれていることが解明され、これを裏付ける形となっている。特に緑茶カテキンについては世界各国で研究が進められている。いよいよ新茶が出回る頃、薬効はともかく、ゆっくりお茶を楽しみ、昔の人が無秩序な状態を「無茶苦茶」と当て字をして来た理由を味わってみるのも悪くない。
（取材・川上）
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2024年05月1日
2024年05月1日
