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掲載日: 2005.01.9

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ヨシ笛奏者 菊井 了さん

ヨシ笛奏者
菊井 了さん

今回の素敵な人は、葦(ヨシ)を材料にして音楽を奏でる新式のヨシ笛を開発し、自ら奏者として自然保護を訴えるためのコンサート等で活躍する菊井了(さとる)さんです。

水郷を見守る葦を楽器に

音楽が好きで学生時代から楽器をつくりたいと考えていた菊井さん。ヨシ笛より先に考案した楽器に、生まれ育った近江八幡で発展した八幡瓦の粘土で作った楽器「瓦奏琴」がある。
その後、ともに演奏できる楽器を・・・と考えた時に粘土の上に生える葦を使うことを思いついた。土と植物はもともと密接な関係にあり、ともに家の材料にも使われる身近な存在。管楽器が好きで、音の出るパイプ状のものを探していた菊井さんにとって葦はぴったりな存在だった。
葦を使った楽器としては昔から素朴な「あぶ笛」が知られるが、短い音を出すことはできるものの音楽を奏でることは不可能。葦のつつの直径が他の楽器と比べてかなり細いことがことが原因する。世界中に広く生育する葦が今まで楽器になっていないことからもその難しさが想像できる。
独自のものをつくるため他の楽器を参考にしなかったという菊井さん。試行錯誤を繰り返すこと約半年、同じイネ科の植物である竹のマウスピースをつけることで、ようやくヨシ笛が完成した。
こうして1998年日本で初めて西の湖産のヨシ笛が誕生したのである。

ヨシ原の風景が目に浮かぶ素朴で温かい音色

菊井さんにヨシ笛で「故郷(ふるさと)」を演奏してもらった。西の湖のヨシ原の景色が目に浮かぶような素朴で澄んだやさしい音色が心ににしみる。
ヨシ笛の魅力は、この自然の風景に溶け込むような癒し系の音色。そして素朴な割に音域は最大2オクターブ出せるのでポピュラーやクラシックなど幅広く演奏でき、コツをつかめば誰でも演奏できるという利点もある。
菊井さんは現在「琵琶湖よし笛アンサンブル」の代表としてコンサート活動を行い、葦の存在のアピールと、環境への様々な問題を提起し続けている。
およそ40人のメンバー全員のヨシ笛は全て菊井さんの手づくり。同じ長さや太さの葦がないのと同じく、同じ音色のものは2本とない。それだけに1本1本、一音ずつ音の高さをそろえていくのは大変なご苦労である。普段は近江八幡市役所の職員として仕事をされる菊井さんにとって、ヨシ笛を製作するために必要な静かな落ち着いた時間をとることは何よりも大変なようである。

聴く人に琵琶湖への思いをはせてほしい

菊井さん個人の活動としては、他にも京都府が製作したテレビCMの音楽を担当したり、琵琶湖環境保全の狂言や民話のための作曲・演奏をするなど、その普及にとても意欲的である。
今後の夢は、ヨシ笛の音色をより多くの人に聴いてもらい、滋賀県をイメージできる民族楽器として認知されること。そのためにも「環境を考える集いなどには積極的に参加させていただき、自然保護を訴える啓発素材として役立てれば・・・」と話す。
「京都に舞妓さんが知られるように『琵琶湖にヨシ笛』と思ってもらえたらうれしいです。そして聴いて下さった方に、少しでも琵琶湖の自然、水や魚のことに関心を持っていただきたいですね。」
そんな菊井さんの言葉には穏やかながらも、琵琶湖を守りたいという強い願いが込められる。

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