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掲載日: 2007.11.7

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愛荘町伝承工芸「愛知川びん細工手まり保存会」会長辻みよ子さん(82歳)

愛荘町のシンボルである伝承工芸品「愛知川びん細工手まり保存会」会長の辻みよ子さんが、今回の素敵な人。「愛知川びんてまりの館」で開催された講習会にお邪魔し、お話を伺った。

手間と根気のいる細工

講習会風景

愛荘町の愛知川地区に江戸時代から伝わる「びん細工手まり」は丸いガラス瓶の中に、美しい刺しゅうを施した「手まり」を作りこんでいく根気のいる工芸である。
さて、どうやって手まりが瓶に収まっていくのだろうか? その作り方を教わった。
まず、手まりに色とりどりの刺しゅうをほどこし模様を完成させる。次に手まりの芯のサラシを抜き取って、手まりを小さくする。それを瓶に入れて今度はまりの内部に綿を詰め込み、形を整えていくのであるが、想像以上に手間と根気のいる作業に驚いた。

作り手の心を映す手まり

「びん細工手まり保存会」が結成されたのは1973(昭和48)年のこと。
「びん細工手まり」は、愛知川ではどこの家庭でも必ず見かける地域に根付いた置物だが、完成させるにはかなりの根気がいるため、作り手がどんどん減ってしまった。最後の作り手だった青木ひろさんが亡くなった時、保存を求める声が地元住民から上がり、辻さんをはじめ十数人の会員が集まって活動がスタートした。
「当初は刺しゅうや形作りなどが難しく、うまくできずにずいぶん悩みました」と辻さん。手まりの本や通信教育で何個も手まりを作り、試行錯誤の末にようやく作り方を習得した。「嫌な気分で作った手まりはくすんだような色になりますし、晴ればれとした気持ちで作った手まりは色も形も良くなります。作った人の気持ちや感情が映し出されるのが魅力です」と辻さん。もともと手芸が得意だったこともあり、創作意欲が次々とわいてきて、完成まで数カ月もかかるような大きい物や難しい柄などにも挑戦するようになった。

34年間で200人を超える会員

会が結成されて34年たった今では会員数は200人を超えるまでに増え、講習会には毎回定員をオーバーする申し込みがあるという。
講習会が開かれる「愛知川びんてまりの館」は、7年前に保存会が中心になって開館した。当時から辻さんを知る「愛知川びんてまりの館」の学芸員・小川亜紀子さんは「開館に際しては本当にお世話になりました。ボランティア精神が旺盛で、優しく親切な方です。いつも頼りにしています」と話す。
辻さんの目標はこれからも新しい柄をどんどん作っていくこと。「常に前向きでいたい!」と明るく答えてくれた。
今月は地元の小学生を対象にした大規模な講習会も予定され、さらに今年7月からは技術指導者を養成する「レベルアップ教室」も始まっている。若い世代に伝統が受け継がれていくのが楽しみである。お年を感じさせない優しい笑顔に手まりの鮮やかな柄が重なった。              (取材・鋒山)

 

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