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掲載日: 2007.11.21

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滋賀県漁業協同組合連合青年会理事 戸田直弘さん(46歳・守山市在住)

魚の種類を説明する戸田さん

琵琶湖の環境問題に積極的に取り組む漁師の戸田直弘さんが今回の素敵な人。外来魚の駆除に同行させていただいてお話を伺った。

網にかかる大量の外来魚

再放流の魚を見せる園児たち

早朝の琵琶湖に一隻の船が出港した。かじを握るのは戸田直弘さん。禁漁期にあたる10月だが、外来魚を駆除するために、琵琶湖で漁をしている。
沖で網にかかるのはブラックバスやブルーギルばかり。実際にこの目で見て、その数の多さに驚いた。
「人間の勝手で琵琶湖に連れてこられた外来魚を捕まえるなんて、これほど悲しい漁はありません」と戸田さん。しかし、何も手を打たなければ、400万年という長い時間をかけて育くまれてきた在来魚が、確実に琵琶湖から姿を消してしまう……その危機感から黙々と作業を続ける。複雑な気持ちながらもその姿に胸を打たれた。

逆境を乗り越えて

地引網漁体験を幼稚園児たちと行う

世界有数の古代湖である琵琶湖は古くから人々の生活に恵みを与えてきた。戸田さんが漁師になった26年前はニゴロブナやモロコなど琵琶湖固有の魚が数多く生息していたという。
ところが水質の悪化や外来魚の増加によって激減し、今もその数は減り続けている。
幼いころは遊び場として、大人になってからは漁師として、琵琶湖を見つめてきた戸田さんには、この現状を見過ごすわけにはいかない。
2000年に駆除作業が行政に認められたが「蔓延したものは仕方ない」「駆除なんかできるわけない」という批判的な意見が多かった。それでも「大好きな琵琶湖を守りたい!」という戸田さんの気持ちは変わらず、滋賀県漁業協同組合連合青年会の支えもあって、徐々に賛同する仲間を増やしていった。

一人一人の手で琵琶湖を守りたい

魚の種類を説明する戸田さん

岸から船をおす戸田さん

戸田さんは琵琶湖の現状と、琵琶湖で漁を続ける漁師のことを少しでも多くの人に知ってもらおうと、2002年に「わたし琵琶湖の漁師です」(光文社新書)を出版した。またさまざまなシンポジウムに出席して環境問題について積極的に発言する一方、県内の小中学校などで講演をしたり、地元の幼稚園児を対象にした「地引網漁」や「稚魚の放流」といった体験学習の場を提供したりしている。
「子どもたちに関心を持ってもらうことが琵琶湖の未来を守ることになる」と戸田さんは考えている。
「私たち漁師は、法律や規則など、さまざまな制約がある中で漁を行い、生活をしています。琵琶湖に来る方は、どうか最低限のルールを守ってレジャーを楽しんでください」と訴える。
子どもたちが大人になるころ、以前のように豊かな琵琶湖を取り戻せるだろうか? 今の私たちに何ができるのかを考えさせられた。    (取材・高木)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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