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掲載日: 2009.04.8

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川口 圭太さん (仏師 大津市在住)

園城寺(三井寺)=大津市=で仏像の制作や修復に携わり14年、仏師の川口圭太さんが今回の素敵な人。工房の「園城寺佛教尊像修復院」にお邪魔し、お話を伺った。

職人の世界に憧れて

長等山の中腹にある三井寺は1300年を超える歴史を持つ。広大な境内の奥深くに「園城寺佛教尊像修復院」がある。
川口さんは幼いころから手先が器用で、宮大工にあこがれていた。彫刻を学ぼうと芸術大学を目指していたころ、新聞に掲載されていた同院の仏師募集記事を見て、仏師の道に入る決心をした。
仏師のことはよく知らなかった川口さんだが、「理屈抜きで技を体にたたき込む“職人”の世界」に子どものころからあこがれていたこともあって、兵庫県から大津市へ移り住んだ。

技術を支えている心

仏師の世界に足を踏み入れた川口さんは、技術はもちろん、“心構え”や“ものの感じ方”など、精神面が大切であることを改めて痛感した。
「たとえば、師匠が一つの形を作られた場合、どうしてその形なのか? という疑問にぶつかります。形の元は師匠の日常生活や自然の中にあるのです」と川口さん。
師匠が考えていることを肌で感じられるようになりたいと、師匠とできるだけ一緒にいるようにした。
また同時に、「モノを見る目」を養う努力もした。自然を注意深く観察したり、仏像のデッサンをしたりなど、目で見たものを自分なりに解釈し、自分の手で描いたり、作ったりする修業を積んでいった。

自分はフィルターにすぎない

現在は、仏像の修復と新しい仏像の制作の両方ができるようになり、古いものでは平安時代の仏像を修復した経験もある。「修復する時は、その仏像を彫った仏師が師匠になります」と言い、仏師の気持ちを感じ取り、“自分”というフィルターを通した再現を試みる。できるだけ“自分”を出さず、“自分”を通り越して、自分の体が自然に動くのが理想だと考えている。
仏像と向き合い、ひと彫り、ふた彫り彫刻刀を進める。自分をコントロールしながらの厳しい作業である。シュッシュッという小さな音が響く工房には、張りつめた緊張感が感じられた。

拝む人の心が表れるお顔に

川口さんが一番難しいと感じるのは仏像の「顔」を彫る時だ。「拝んでいる人が、仏様が笑っていると感じる時は笑っているように、怒っていると感じるときは怒っているように見える仏像を彫りたいと願っています」という。
自然の中に身をおき、仏師を志して14年。やめたいと思ったことは一度もないと言う。
「自分がこれで完成だと思っても、それは自己満足に過ぎません。完成かどうかは、拝む人が判断することです。一人前の仏師にはずっとなれません。この仕事はそういうものなのです」と話す。真摯で謙虚な眼差しがとても印象的だった。(取材・瓜生)

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