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掲載日: 2010.03.3

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創作和紙人形作家 田島 広絵さん (77歳・大津市在住)

手すきの和紙で人形を作り続けている創作和紙人形作家の田島広絵さん。色鮮やかな着物に身を包み、まるで魂が宿っているかのような和紙人形は、見る人の心を癒やし、和ませてくれる。

作品にぬくもりと優しさ

田島さんが作る和紙人形は、和紙が持つ素朴さ、ぬくもり、優しさ、強さが感じられ、手を差し出したり小首をかしげたりと今にも動き出しそうに見える。針金と紙で体を作り、そのまわりに綿で膨らみを出し、和紙で作った着物を着せる。目や鼻、口など顔はあえて描かない。これは誰かに似ているとか、どんな顔なのだろうと想像してほしいからだ。

一つ一つ魂を入れて作る。そこから命が生まれ、本当に温かい作品ができる。京都のNHK文化センターで講師を務めるほか、メルボルンやニューヨークなど海外でも展示会を開き高い評価を得ている。

子ども時代の思い出が縁

田島さんと紙人形の最初の出合いは10歳のころ。実家は製糸工場を営んでおり、住み込みで働く女の子たちに、祖母や母が帳簿の紙切れを使って紙人形の作り方を教えていた。当時は今のような娯楽がなかった時代。1枚の紙から人形ができあがるのが楽しくて「自分もいつか作ってみたい」と思うようになった。

それから約30年。呉服屋の店先に紙人形が飾られているのを見つけた。子供のころの思い出が鮮明によみがえり、しばらくその場から動けなかった。人形を作ってみようと思った。

人形作りに欠かせない女性の腰の線やしぐさ、色っぽさなどを知るために京都まで足を延ばし、舞子さんの後ろを歩いて研究した。歌舞伎や日本舞踊、能などを鑑賞して細かな動きや衣装のことも勉強した。

ところが、作り始めてみると、どのような人形にするのかイメージが浮かばず苦しみを味わうこともある。一方で、突然夢の中に人形や色の組み合わせが現れることもある。そんなときは飛び起きてイメージを描きとめておく。

小さい人形で3~4時間、大作では1カ月かかるものもある。
「和紙は細かいところまで表現でき、布よりも動きのある作品が作れます。温かみがあるのも魅力ですね」

話しかけながら制作

作り始めて40余年。これまでに数え切れないほどの作品を生み出した。どの人形にも命があると田島さんは言う。うれしいことや悲しいこと、何でも人形が話を聞いてくれると感じている。

ある展示会で女性から手紙を受け取ったことがあった。「生き生きとした美しい人形を見て生きる勇気をいただきました」と感謝の気持ちがつづられていた。その女性は重い病気にかかり生きる気力をなくしていたが、田島さんの人形を見て感動、半日間もその人形を見続けていたという。

「自分の作品が人に希望を与えられて本当にうれしかったです。人形を作っていてよかったと思いました」

(取材・澤井)

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