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掲載日: 2010.06.23

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滋賀県立大学工学部 材料科学科准教授 徳満 勝久さん(48歳)

滋賀県立大学工学部の徳満勝久准教授と研究室の学生らで作るグループ「廃棄物バスターズ」が、家庭から出る廃棄プラスチックごみ(以下廃プラ)をプランターにリサイクルする技術を開発した。ごみの回収からプランターの製造、販売までをすべて県内で行う「廃プラの完全循環システム」も産・官・学の連携で確立している。

きっかけは企業からの相談

「廃棄物バスターズ」は、04(平成16)年に発足した。県内の企業から廃プラを一般向けの商品にできないかと相談を持ちかけられたのがきっかけだった。

衣装ケースやポリタンク、ペットボトルキャップなど硬質プラスチックは、リサイクルしても主原料のポリエチレン(PE)とポリプロピレン(PP)が分離するので強度が弱くなる。運搬用パレットなどの製品化はあったが、ほとんどが埋め立てや焼却処分されていた。

そこでPEとPPを強く結びつけるため、1年かけて30種類以上の物質を試し、強度を10倍に高めることに成功した。

製品化にラジオ放送が突破口

強度の課題をクリアできたので、地域の人に喜んでもらえるよう、町を花で彩るプランターに加工することにした。05(平成17)年、県外の企業で廃棄物含有率95%の試作品800個を作った。

しかし、企業側と意見が対立し、商品化はできなかった。廃プラを原料にすると、緑がかった色になる。徳満准教授は廃プラの含有率を高くしたかったが、企業側は流行色のアイボリーにするため、他の物質を混ぜようとしたからだ。

試作品を抱えて途方にくれていた徳満准教授らだったが、地元ラジオ局の取材を受け、プランターのモニターを募集した。300組もの応募があり、高島や大津から県立大学まで取りに来る人もいた。
「反響の大きさに驚きました」

県内企業から商品化協力の申し出もあり、06(平成18)年には県内で生産、ホームセンターで販売を開始した。

廃プラの完全循環が実現

原料の廃プラは、開発当初は県外から購入していた。県内にはリサイクルのために廃プラを分別しているところがなかったからだ。

「このシステムは、輸送のためのエネルギーやコストをかけずにすむ地産地消でこそ意味がある。滋賀県で使うものは滋賀県で―というように、地域で循環させてこそ成功だと言えます」

リサイクル率10%アップを目指していた彦根市に廃プラの回収協力を打診し、08(平成20)年には同市の廃プラだけでできたプランターが完成。産・官・学が連携、廃プラの完全循環システムが実現した。

当面の課題は原料の硬質プラスチックごみの確保。プラスチックごみから硬質プラスチックだけを手で分別する必要があるため、彦根市だけでは足りない。5月から草津市が協力してくれるようになり、他の市でも検討中など、活動は広がってきている。

県内全域から集められるようになれば、県下のプラスチック需要がすべて廃プラでまかなえるかもしれないと徳満准教授は言う。

「滋賀県が成功モデルになり、循環型ビジネスとして全国に広まれば」と期待している。

(取材・福本)

 

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