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掲載日: 2011.01.12

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NGOカンボジアこどもの家代表 栗本 英世さん(59歳・彦根市在住)

内戦の傷跡が残るカンボジアで貧困に苦しむ子どもたちを救いたいと、一人で支援活動を始めた栗本英世さん。孤児支援や識字教育、寺子屋や職業訓練校の設立など、人々の自立を手助けする支援活動を続け、今年で15年目を迎えた。

幼少時の辛い思い出を胸に

4畳半と3畳の家に8人が暮らしていた幼少時代の貧しくつらい経験。教会へ行くことが子どもの頃の楽しみだった。自分も宣教師になって貧しさに苦しむ人を救いたいと、各地の福祉施設で働いた後、19歳で台湾のカトリック系大学・輔仁大学へ進学した。事情があり中退したが、その後、タイなど東南アジアをバイクで回り、各国の言葉を学びながら福祉活動を続けた。
カンボジアに入ったのは内戦後の混乱が続く96(平成8)年。東北部の町クラッチェに戦災孤児15人を預かる「カンボジアこどもの家」を設立した。クメール語はカンボジアに入って約2カ月で習得。「こんなに簡単ならみんなにも教えてあげたい」と手作りの識字ポスターと紙芝居をバイクに積んで識字率の低い田舎の村を教えて回った。

子どもたちを救いたい

「うれしそうに字を学んでいた子のところへ1カ月後に行ってみるといなくなっていました……」。人身売買や売春、子どもを取り巻く悲しい現実を目の当たりにし、「カンボジアの子どもたちが自立するために無料で学べる寺子屋を作ろう」と思い立った。
99(平成11)年、タイとの国境に近く、多くの難民が生活するポイペットでの寺子屋作りが始まった。ここはいまだ何十万個の地雷が埋まり危険地帯と指定されている地区。村人と協力して地雷を一つ一つ撤去、森の木を伐採して手作りのわらぶき校舎ができ上がった。
当初40人でスタートした寺子屋は各地区に広まり10年間で25校、8000人が学ぶまでになった。現在は制服や学校給食の普及、学校を卒業した子どもたちが仕事に就けるための職業訓練校の設立にも力を注いでいる。

本当のボランティアとは

栗本さんは「安易にお金で支援をしないでほしい」と訴える。
鉄筋の大きな校舎を与えても、壊れた時に現地の人たちには直せない。しかし、村人を雇って一緒に作れば、技術を習得してもらうことができ、賃金も渡すことができる。
「こちらが良かれと思った行動が相手の自立を妨げることもある。本当のボランティアとは『友』になること。お金や物を与えればそれがなくなったときに彼らは困ります。お金や物を生みだす方法を一緒に考え、共に模索することが必要だと思います」。
活動に必要な資金は通訳の仕事や日本での講演などで賄う。日本へ戻ったときは大学の客員教授で稼いで仕送りする。「自分のためにお金を使うと損をした気分になる」。100円あれば1人の生徒が学校へ通えると思うと、教授の仕事の合間に便利屋(清掃、畳の張り替えなど)や焼き芋屋にもなる。

苦しむ人のそばで

5年前に脳腫瘍で余命数カ月の宣告を受けた。「医者から死を宣告されたとき、とてもすがすがしい気持ちになりました。自分はやるべきことをやってきたという自信があったからだと思います」と振り返る。その後奇跡的に回復。「苦しむ人のそばでの援助活動」を再開するため、今春カンボジアへ戻る。
(取材・福本)

 

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