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掲載日: 2011.03.9

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滋賀の食事文化研究会事務局 堀越 昌子さん

滋賀大学教授で滋賀の食事文化研究会事務局の堀越昌子さん。研究会創立20周年を記念して滋賀県立琵琶湖博物館でギャラリー展示「食事博」を開催中。郷土料理の紹介や「伝統食弁当」も食べられる。

「米」と「淡水魚」がキーワード

滋賀の食文化のキーワードは「米と淡水魚」。一般家庭で「米」によって「淡水魚」を漬物にしてしまうなれずし(フナずし)はその象徴だ。
日本最大の淡水湖・琵琶湖の周囲は近江米で知られる広大な水田地帯。かつて湖岸では、フナ、ナマズ、モロコなどが田んぼに上がってきた。食べきれないときや雪深い冬に備えた保存食品として、米による保存技術が生まれた。
豊富に取れる米は「飯」だけでなく、「餅」「団子」としてもよく食べられた。そこに田畑の幸だけでなく、水田地帯の周囲に連なる里山や山林からの多彩な食材も加わり、豊かな食文化が発達した。

現地で学び、実際に作る

堀越さんは長浜で生まれ、幼いころから母手作りの湖魚の佃煮を食べて育った。大学の農学部で学び、修士課程を終えて滋賀大学に赴任した。食に関する研究を続け、20年前に「滋賀食事文化研究会」の活動を開始した。
当初は『聞き書・滋賀の食事』(農村漁村文化協会刊)の編集者・執筆者を中心に13人で出発。それが今では130人。フナずしや麹などの食品製造・販売に携わる人や、主婦、教師、栄養士など実に多彩だ。
研究会は年6回。現地で学ぶことを大切にしている。実際に現地へ出向いて学び、実習もする。におい、味、作り方、ちょっとした工夫など現地取材して初めて分かることが多いからだ。
日野町では鹿肉のさばき方を教わって鹿肉料理を作り、信楽では茶がゆを作った。フナずしや豆腐にも挑戦してきた。琵琶湖の漁を見せてもらい、魚獲高が減っている現状も知った。最近はタイやラオス、中国へ稲作文化圏の調査に行き、滋賀の食文化の源流を探っている。

滋賀の食文化を伝えたい

会の主催で小中高校で出前講習もしている。アメノイオご飯(ビワマスの炊き込みご飯)、丁稚羊かん、エビ豆、丁字麩のからしあえなど、子どもたちは初めて食べる味に驚きながらも「おいしい」と喜んでいた。予想外に簡単に作れることも、子どもたちの興味を引いた。
少しでも多くの人に滋賀の伝統食文化を知ってほしいと、会のメンバーで『つくってみよう滋賀の味』などの本を出版した。滋賀県無形民俗文化財になっている「湖魚のなれずし」「湖魚の佃煮」「日野菜漬け」「丁稚羊かん」「アメノイオご飯」などが掲載されている。
さらに、会の発足20周年を迎えた今年、琵琶湖博物館で記念のギャラリー展示を実施している。どんな食材がどこでとれるか、行事食や祭りの食など、地域の特色ある伝統料理を写真で展示、3月5、6日には滋賀の郷土料理、エビ豆、アメノイオご飯など150品目を再現、一部を試食できるようにした。期間中、琵琶湖博物館のレストラン「におのうみ」と共同企画した「伝統食弁当」を提供する。

(取材・鋒山)

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