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掲載日: 2011.03.30

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作曲家  京都市立芸術大学専任講師 中村 典子さん(草津市出身・46歳)

2010年滋賀県文化奨励賞を受賞した、草津出身の作曲家中村典子さん。生まれ育った滋賀の風景を音楽で表したいと、作曲家を目指した。たどりついた表現は世界各国で高い評価を受け、日本だけでなく韓国や中国、ヨーロッパ、アメリカ、メキシコなど12カ国で上演されている。

故郷の風景との違和感

中村さんが作曲家を目指すきっかけは、幼少時、オルガン教室の講堂で自分が弾いている曲と、そこから見える田園風景が“合っていない”と感じたこと。
「ビバルディの四季と西洋の農村風景はとても合っているのに、地元の風景には合わない」
ピアノや合唱など中村さんの身近にはいつも音楽があったが、違和感はずっと消えなかった。
一方、生活の中にあった神社の祭礼や伝統芸能などは、周囲の景色に合っていると感じていた。
「いつかは、この風景に合った音楽を楽譜につづりたいと思っていました」
中村さんが京都市立芸術大学へ入学して作曲を専攻したのはそんな理由からだった。

尺八の音色が教えてくれた

大学でクラシック音楽を学び、曲の仕組みは理解できた。だが、違和感を解消する曲は作れなかった。
「大学院まで進んだものの目指す音楽が分からなくなり、何もできなくなるところまで追い詰められました」
そんなころ、ふと耳にした現代尺八の音色。西洋音楽の歴史はたくさん勉強したのに、自分の周囲や日本の歴史に対して、あまりにも勉強不足だったと気付かされた。
足元を見直すため、草津市内にある200余りの神社を自転車で巡り、その土地に立って空気を感じてみた。伝統芸能を見て回った。歌舞伎や雅楽など日本の音楽や、アジアの音楽にも積極的に触れた。
「日本の風景の向こうに、アジアや西洋の風景があり、日本の音楽もクラシック音楽につながっている……そう感じられるようになって、やっと前に踏み出せるようになりました」
89年、巨大な自然の意思を表現した「ノリ」で作曲家デビュー。日本語の祝詞と韓国語の「ノレ(歌)」から名づけた曲で、表現したいことを詰め込んだら25分という大作になった。
この曲は国連憲章50周年記念国際舞踊フェスティバルの日本代表曲に選ばれ、サンフランシスコのオペラハウスで上演された。

和楽器や仏具も加えて

その後、内なる湖、母なる湖、アカ(閼伽)、天湖頌(琵琶湖周航の歌幻想)など滋賀を表現した曲や、NHKのテーマ音楽、独日協会40周年記念作品、フルートオーケストラ「湖笛の会」25周年記念作品など数々の楽曲を手がけ、国内外で高い評価を受けてきた。
自分のイメージした音が出せるように、オーケストラに和楽器や仏具のリンを使ったり、箏の調弦を変え左右どちらからも音を奏でたりと、新しい発想で独自の音楽世界を作り出してきた。
昨年、しが県民芸術創造館で開催されたシアターピース「生命の舟」では、水をテーマにした曲「江州音頭幻想」など、言葉と音楽で、さまざまな角度から琵琶湖を表現し、多くの観客を魅了するなど、活動は高く評価されている。 (取材・福本)

 

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