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掲載日: 2011.06.8

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近江・オオムラサキを守る会  樋口 善一郎さん(米原市在住・67歳)

美しい青紫色の羽を持つ国蝶・オオムラサキに地元の里山で出合って魅了された樋口さん。
オオムラサキを含め数多くの生き物が生息する里山の環境を守ろうと続けてきた活動は、来年で30年目を迎える。

「もしかして国蝶?」

ある日次男が地元の里山「かぶと山」で、美しい青紫色の羽を持つボロボロのチョウを捕まえてきた。
「もしかして国蝶のオオムラサキ?」
調べてみると本物だった。地元に国蝶がいることがうれしくて、それからは、かぶと山のギフチョウやオオムラサキの調査をするようになった。
時期は高度成長期。開発事業が盛んで、かぶと山にもドライブウエーを作る計画が上がった。
「わずか百数十メートルしかないかぶと山を開発したら豊かな自然環境だけでなく、山そのものが消えてしまう」
危機感を覚えた樋口さんは、82(昭和57)年、オオムラサキが生息する豊かな自然を守ろうと「近江・オオムラサキを守る会」を発足させた。
当時はまだ環境保護といった考えが一般に浸透しておらず、2人だけのスタートだった。マスコミの力もあり、かぶと山にオオムラサキが生息していることが広く知られるようになると、ドライブウエーの計画は断念され、代わりに遊歩道が新設された。

増殖活動より環境の改善

活動は徐々に理解が広がり、現在では会員約30人、県外からの参加者も多い。主な活動は増殖活動、調査活動、啓発活動の三つだ。
当初10年間はオオムラサキの減少を止めるために増殖活動に力を入れた。地元の小学生らと一緒に、越冬幼虫を放したり、成虫の放蝶会を行い、大空へ羽ばたくオオムラサキを見て大満足だった。
ところが追跡調査の結果、効果が出ていないことが分かった。
「人工飼育が近道だと思っていましたが、環境の許容を超えた数を放すことが本当に正しいのか、環境の悪化がオオムラサキ減少の原因だとしたら環境を整えない限り同じことの繰り返しではないか……」
そう考えた樋口さんは増殖活動を止め、調査と啓発に力を入れた。
発足から月に1回発行してきた手書きの会報は6月で359号になっている。

地元の小学生と飼育

オオムラサキの存在はもちろん、それを取り巻く環境の実態を知ってもらうことが一番大切だと考えている。
地元の息長小学校では20年前から毎年、小学3年生とオオムラサキの飼育を続けている。夏休みの自由研究にオオムラサキや環境をテーマにする子も多く、樋口さんの思いは次世代を担う子どもたちに届いている。
また、春は里山で摘んだ野草の天ぷらを試食、夏はオオムラサキの観察会、初冬は越冬幼虫を数える「カウント調査」など、季節ごとの観察会も開催、多くの人が参加している。
「30年間続けてきた環境調査の結果は残念なことに悪化の一途です。このまま何もしなければ、いずれオオムラサキは姿を消してしまいます。みんなの生活が30年以上前に戻るのが理想ですが、それは無理。まずは自分にできることから環境に優しい生活を心がけてほしいですね」
樋口さん自身、早寝・早起き、移動は自転車……と、できることから始めている。(取材・福本)

 

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