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掲載日: 2011.06.29

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木地師 小椋 昭二さん (東近江市在住・60歳)

木地師発祥の地とされている東近江市永源寺町の山里・君ケ畑で、17年前から唯一の木地師として活動する小椋昭二さん。木目の美しさを生かした、滑らかな手触りの作品を作り続けている。

惟喬親王が伝えた技術

木地師とはろくろを使い、お盆や木わんなどの木地を作る職人のこと。
1100年前、惟喬親王が王位継承に敗れて君ケ畑に隠棲、ろくろで木地を加工する技術を伝えたことから木地師発祥の地と言われている。
木地師は材料がなくなると、良材を求めて新しい土地へと移住し全国へ散らばった。君ケ畑では江戸後期を最後に、以降200年余り、その技を継ぐ職人は現れなかった。
この地で17年前に木地師として新たなスタートを切ったのが小椋さんだ。

40歳から模索

もともとは家業の製材所で兄と一緒に働いていたが、80年代以降、外国産の安価な木材が出回り仕事は減少した。
もの作りが好きでチャレンジ精神旺盛だった小椋さんは、40歳になったころから製材所は兄に任せ、自分で何かやってみたいと思うようになった。
「この地で木地師を名乗ることには抵抗があり、どちらかといえば避けてきました。けれど同時にここでやるならやっぱり木地師しかない」。94年、心を決めた。

試行錯誤の日々

ろくろは手に入れたものの、何から始めてよいのか分からない。近所に技術を受け継いだ人もいない。
そこで、挽きもの作品展を訪れたときに紹介された愛知県の木地師・安藤英一さんを訪ねた。
「君ケ畑から来たのなら教えないわけにはいかないな。だが、君ケ畑の名を汚すようなことはするなよ」。安藤さんの最初の一言は今も心に残っている。何度か訪問して、一通りの作業を教わると、あとは自分の工房で試行錯誤する日々が続いた。
最初は高速で回転するろくろから木材が外れ、すごい勢いで飛ぶなど、怖い思いもした。長い柄のついたろくろ鉋は鋼を磨いて作った。満足のいく砥石を探すのに3年かかった。ろくろの前に座り、高速回転する木材に刃を当てると、髪のように細い木くずが吐き出される。この刃先の微妙な加減が難しい。
「器用ではないので、作業の工程を細かくしそれぞれを丁寧にこなすよう心がけました」。
96年の夏に作品を安藤さんに見せたら「これなら焼き印を入れて売ってもいいやろ」と認めてくれた。
発祥の地に木地師が復活したと騒がれ注目されることも多くなり、県内外から注文が入るようになった。

木の美しさを引き出す

木によって性格が違い、手触りやつやも変わる。どの部分を使うかによって木目も変わるので、作品の雰囲気も変わる。木目の美しさと滑らかな手触りが小椋さんの作品の魅力。さらに、盆は表面を茶渋で磨いて、美しいあめ色に仕上げ、親から子へと代々受け継げる耐久性もつけている。端材を利用して名刺入れやブレスレット、うちわを作るなど新しいことにもチャレンジ中だ。
「主役は木。その材料の最も美しいところが引き出せるよう頑張るだけです」
新しい木との出合いには、いつもわくわくすると言う。
(取材・福本)

 

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