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掲載日: 2011.09.7

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ヴォーリズ記念病院ホスピス病棟看護師 谷川 弘子さん(近江八幡市在住・46歳)

★記事は2011年に取材したときのものです

10年間の会社勤めの後、自分らしさを求めて看護師に転身。「人は、死ぬ前の大切な時間をどう過ごすべきか」を考え、ヴォーリズ記念病院のホスピス病棟のオープニングスタッフに参加。看護師として患者の気持ちに寄り添い続けてきた。

何もできない現実を前にして

高校卒業後、一般企業で10年間、経理の仕事をしていた谷川さん。
「これからは、自分にしかできない仕事をしたい」と、看護師になることを決心した。しかし、看護の現場で厳しい現実を見た。
勤務先の埼玉県の大学病院では、末期がんの患者が、家族の座る場所もない大部屋で、次々に亡くなっていった。
「人の最期の大切な時間がこんな厳しい環境でいいものか? 有効な治療法が見つからなくても看護師としてできることはないものだろうか……」
悩んだあげく、治療のすべを失った患者の痛みと精神不安を和らげる緩和ケアに興味を持つようになった。

「母親の死」が教えてくれた

転機となったのは「母親の死」だった。03年、滋賀県の草津市に住んでいた母親の介護が必要となり、埼玉から戻った。2年後に母親は亡くなり、しばらくは何もする気がしなかったが、新聞を読んでいて、ヴォーリズ記念病院のホスピス病棟建設の記事を見つけた。
「母親が死んで、私が本当に働きたい場所はホスピスだと確信しました。ホスピスは『死にいく場所』だと誤解されがちですが、それは違います。残された時間を人らしく生き抜く場所です。だから、そのお手伝いがしたかった」

患者さんの笑顔が「元気の源」

現在、県内でホスピスのある病院は4カ所だが、ホスピス病棟が独立しているのはヴォーリズ記念病院だけ。
豊かな自然に囲まれた病棟には静かな時間が流れ、面会時間の制限もなく、患者は家族や訪問者とゆっくりと過ごせるようになっている。ペットとの交流も可能で、自宅に戻りたい人は外来受診も許されている。体の痛みはもちろんだが「心の痛みのケア」に重点が置かれている。
「自宅から持ってきたものを部屋に飾ったり、家族が自由に寝泊りしたりできます。ここを“別荘”と言ってくれる人もいます」
看護の形態はさまざまで、たとえば、結婚式を挙げられなかった夫婦が病棟内で結婚式を開いた事もあった。また、施設で暮らしてきた知的障害の男性が大好きな電車の映像を見ながら施設の人の腕の中でゆっくりと息を引き取ったこともある。ホスピスを希望しながら容体が悪くて来られなかった患者さんがやっと入院できたのに、わずか2~3時間後に亡くなったことも。「家族から『本人は転院できてすごく満足していました。ありがとうございました』とお礼を言われたのがとても印象的でした」と谷川さん。

今も、勉強の連続…

「看護師は一生、勉強です」。今も緩和ケア認定看護師を目指し、月2、3回横浜まで通う。体と心の両面をケアする「全人的ケア」を大切にしたいと考え、病院の庭では、畑仕事の経験のある患者さんと野菜作りも楽しんでいる。
(取材・福本)

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