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掲載日: 2010.01.28

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能面講師 伊庭 貞一さん(58歳・東近江市在住)

古くから能文化が盛んで、竹生島や三井寺のように能の演目舞台になったところも数多い近江の地。しかし時の流れとともに能文化はなじみの薄いものとなってしまった。能面に魅せられた伊庭貞一さんは、近江の地で能面文化が盛んになることを目指して、能面打ち教室などさまざまな活動を繰り広げている。

最初は軽い気持ち

小面(こおもて) 国民文化祭実行委員会会長賞

昔から木工が好きだった伊庭さんが能面に出合ったのは10年ほど前。
勤続30年を機に退職、仏像を彫りたくなり教室に通い始めた。表情の勉強のためにと軽い気持ちで始めたのが能面打ちだった。
材料は、単なる四角の木片にすぎないが、ひとたび舞台の上で演者に命を吹き込まれると、実にさまざまな表情を見せることに驚いた。
「名品と呼ばれる能面は喜怒哀楽の感情を一つの面で表現できる。気軽に始めた能面打ちでしたが、その世界は奥深く、極めるには一生かかると思いました」

本物に触れて才能が開花

がぜん能面に興味を抱いた伊庭さんは京都や福井にまで出かけて名品を鑑賞、本格的に学ぶことを決意した。02(平成14)年に京都の能面師・中村光江さんの指導を受け始めると、才能はすぐに開花した。翌年には能面展で入賞、05(平成17)年には「能面の祭典能面公募展」で「国民文化祭実行委員会会長賞」を受賞した。
能面は一つ作るのにだいたい2~3カ月かかる。中でも仕上げ彫りが一番難しく、目、口の彫りに特に気を使うという。
「名品には奥深くに隠れた表情があり、模倣して作るのですが、0.1㍉の彫り具合の違いで表情が変わってしまいます。納得のいく作品はなかなか作れませんが、次こそはと制作意欲が尽きません。目標は能楽師の方に舞台で使ってもらえる面を作ること。いずれはオリジナルの創作面も作ってみたいですね」。
普段から人の表情が気になり、電車などでつい、じっと人の顔を見詰めてしまうことがあるという。
能面を彫るときにはヒノキのよい香りがする。木の香りに包まれながらざくざくと無心に彫ることで精神統一、リラックスでき、癒やしの効果があるのも魅力の一つだそうだ。

「育てる会」も設立

彦根城築城400年祭協賛「滋賀能楽能面の集い・彦根」 2007年11月

能面打ち体験教室

能楽の発表の場こそ京都だったが、能文化が育った場所は奈良、福井、滋賀と幅広い。特に滋賀県は、昔から近江井関家など有名な能面師らも活躍していた。しかし近年は停滞が目立つ。
「私が能面打ちを始めたころ、能面教室は県内に一つしかありませんでした。歴史はあるのに文化がこの地になじんでいないことを寂しく感じました」
そこで能面の魅力を広めようと、04(平成16)年に能登川、草津で教室を開講、昨年9月には長浜でも開いた。
また、近所で能楽を愛好する出路敏秀さんと共に「滋賀能楽文化を育てる会」を作り、能楽の普及・啓発に取り組んできた。中でも人気なのが「能面打ち体験教室」。能面打ちというと難しそうだが、型紙に合わせて彫るので初心者でも作れる。現在教室の約35人の生徒には、満足して楽しんでもらえるよう指導している。
07(平成19)年には彦根城築城400年祭協賛行事で「滋賀能楽能面の集い・彦根」を開催。また絣作家との合同展を開催するなど、新しい試みにも果敢に挑戦している。
(取材・福本)

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