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掲載日: 2012.08.16

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SEN-KOTSU工房代表 多胡 裕之さん(高島市在住・48歳)

扇子の骨の、「扇骨」を製造している多胡扇子店の3代目・多胡裕之さん。伝統の技術を生かしながら、新しいことに挑戦しようと06年、職人仲間4人でSEN-KOTSU工房を組織。オリジナリティーあふれる扇子や竹製のしおりは高く評価されており、11年度伝統的工芸品産業大賞では作り手部門の大賞を受賞した。

扇骨の美を楽しむ新しいスタイル

無地で落ち着いた色の「扇面」に、伝統的な扇子にはあまり見られないデザインの「扇骨」…… SEN-KOTSU工房が作る扇子はひと味違う。
一般に扇子は「扇面の絵柄」で美しさを表現するが、多胡さんのものは扇骨の美を表現する新しいスタイル。落ち着いた中に匠の技が光る。
これを支えているのは扇骨づくりの本場・高島に伝わる300年の伝統の技だ。今でも国産扇骨の9割を生産している。元来、扇骨づくりは農家の農閑期の仕事として受け継がれてきたが、多胡さんの生家は専業にしていた。

メゾン・エ・オブジェ出展で時代をつかむ

子供のころ多胡さんは、家業を継ぐことは考えていなかった。むしろ扇骨の仕事を手伝わされるのが嫌で、親に反発。高校卒業後、サラリーマンとして京都で就職した。
そんな多胡さんに転機が訪れたのは29歳のときだった。父が体調を崩し、入院。多胡さんもサラリーマンに疲れを感じ始めていたこともあって、跡を継ぐことを決意した。
とはいうものの、扇骨の世界に飛び込んで戸惑った。安価な中国製の扇子が出回っていて需要は減る一方。さらに、国産扇骨のほとんどが高島で作られているにもかかわらず京都へ出荷され、これに扇面が張られて「京扇子」として販売されていた。「扇骨だけでは限界がある。伝統のある高島扇骨の技術を使い、何か新しいことに挑戦してみたいと考えました」
05年、日本の伝統的な素材や技術を生かして世界に通用するブランドを育成する、中小企業庁の「JAPANブランド育成支援事業」へ応募。見事採択され、フランスで行われる「メゾン・エ・オブジェ」への出展が決まった。出展に向けて扇骨職人が何度も集まって相談しながら、竹を使ったしおりや照明器具、扇子などを出品。いずれも斬新なデザインで大好評だった。

新製作手法・SEN-KOTSU工房の誕生

メゾン・エ・オブジェでの成功をきっかけに、多胡さんは職人仲間に声をかけ、4人でSEN-KOTSU工房を設立した。
それまで、扇子が出来上がるまでには34もの工程があり、多くの職人が分業していたが、SEN-KOTSU工房では扇骨作りから扇面張りまで、ほとんどを自分たちでこなすことを目指した。
デザインだけはデザイナーに依頼したが、多胡さんは扇骨を担当。扇骨の模様はレーザー彫刻機を使うなど、手作業をベースにしながらも積極的に最新の技術を取り入れた。
「扇子は観賞用であると同時に、儀式や暮らしの道具。実際に使われてこそのものだと思っています」

安曇川の竹林復活にも挑戦

07年からは毎年、東京インターナショナルギフトショーに出展。ここ数年は手作りの良さが見直されてきて需要も安定してきているという。
「安曇川の竹林が荒れ、京都や島根、中国などから竹を調達してきましたが、本来の姿に戻すために、2年前から安曇川沿いの竹林整備も進めています」
(取材・澤井)

 

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