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掲載日: 2012.11.7

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さざなみ古書店 店主 中村 恭子さん(長浜市在住・62歳)

人生を丸ごとリセットするかのように「暮らし替え」をして元気な生活を送っている中村恭子さん。北九州から長浜へ移住したのをきっかけに、学生時代からの夢だった「古書店主になること」を実現し、「苦しいこと続きの人生」を「ハッピーな人生」に転換した。
この見事なギアチェンジの秘訣はどこにあるのだろうか?

娘たちの一言が決め手に

中村さんは大学卒業後、グラフィックデザイナーや子どもの絵画教室の先生として活躍してきた。ところが父が亡くなり、実家の会社の経営に関わることになった。母の認知症介護も重なり、「試練続きの人生を、変えることができるだろうか……」と思いながら還暦を迎えた。
そんなとき、「これからは好きな所で、自分のために暮らしてみたら……」と娘たちからアドバイスを受けた。もともと古い小さな町を歩くことが好きだった中村さんはこの一言に背中を押され、早速、金沢、松本、長浜など、いくつか候補を挙げてみた。最初に訪れたのが長浜だった。
落ち着いた町並み、雰囲気のある路地裏や宿、偶然訪れた舎那院の静けさなどに心を奪われた。
「長浜に住みたい!」と、すぐに古い町家の奥の小さな部屋を住まいと定め、1年10カ月前、北九州市から長浜市に引っ越してきた。

本の命をつなぎたい

ある日、家の近くの倉庫が空いていると知り、「私に貸してください。ここで古本屋をやります!」と契約を結んだ。学生時代から人生の後半は本に囲まれて暮らしたいと思っていた。その夢が実現することになったのだ。
8畳ほどの小さな店。並んでいるのは中村さんが長年親しんできた芸術や写真・デザインの本と、文学や詩集など。それぞれの本には思い出があり、愛着のあるものばかりだ。この古書店は利益を上げることだけが目的ではない。
「誰かにこれを見つけてもらい、本の命をつなげてもらえたら……」という願いが詰まっている。書籍だけでなく、アフリカのお面や枕など、長年集めてきたアンティーク工芸や民俗資料なども店頭に並べている。

積み重ねが生んだ豊かな時間

うれしい誤算もあった。大学の先生や近くの客、知人友人たちが「私の本も誰かに『つないで』ほしい」と持ち込んできたのだ。本の「つなぎ」が人との「つなぎ」も生むようになった。
最近では「ここに来るとワクワクする」というリピーターも増え、店が『つながりの場所』に変わってきているという。
「こんなに長浜のみなさんに受け入れてもらって。今、本当に幸せです」と中村さん。
小さな勇気と、自分を確かめながら「ちょっとづつ」積み重ねたものが、60代になって豊かな時間をもたらしてくれた。
「還暦からの人生は、年金と医療だけではない」という証しをまた一つ得た。
(取材・越智田、鋒山)

 

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