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掲載日: 2013.11.19

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日本画家 中路 融人さん(京都府在住・80歳)

近江の風景を50年以上にわたって描き続けている日本画家・中路融人(なかじゆうじん)さん。幻想的な水墨画の雰囲気の中にモダンアートを感じさせる独特の作風は、見る人を不思議な世界に誘い込む。

母の故郷に原点見つけ

「兆映」100号
写真提供:東近江市近江商人博物館

絵との出合いは早かった。幼いころ、近所に画家が住んでいたので、絵を描く様子を見に通った。そのうち自分でも描くようになり、小学校のとき全国の水彩画コンクールで入賞した。
酒屋の次男として生まれたが、口べたで客の対応や集金が苦手。「自分は商売には向いていない」と思い、高校は美術科を選んだ。しかし、日本画での成功は考えず、卒業後はデザイン事務所に就職。テキスタイルデザイナーとして働きながら、絵の勉強に励んだ。
21歳のとき、大きな転機を迎えた。画塾の晨鳥社に入塾し、高名な画家の山口華楊に師事することになったのだ。
「君の思うようにしなさい」
師の言葉を受けて自分の描きたいものは何か考えた。そして、子どものころによく行った母の故郷である滋賀県東近江市五個荘の風景を思い出し、自分が描きたいのはこれだと確信した。
以後、五個荘を中心に滋賀の風景を描くようになる。湖西の堅田、雄琴、近江舞子などにも足を伸ばした。
琵琶湖や田園の風景は訪れるたびに違う。豊かな自然の表情に圧倒された。
描きたいと思ったらすぐに出掛け、雑念を入れずに描く。
「今日はどんな世界に遭えるだろうか」
期待に胸を膨らませ、予期していなかった風景に出合えたときはうれしくて仕方なかった。雪の中で寒さと戦いながら描き続け、妥協せずに何度も描き直したこともあった。
忠実な写生で「自分で感じたことを筆にのせるだけ」
という中路さん。謙虚な作風が生み出す心象風景は見る者を魅了する。

描くたびに発見がある

「朝霧の川」100号
写真提供:東近江市近江商人博物館

「描こうとする風景に、自分から親しくなる努力をすることです。繰り返し同じ場所に行きますが、行くたびに発見がありワクワクします」
中路さんの作品は、山や木が水に映ったものが多く、澄んだ空気や匂いまでもが伝わってくる。滋賀の桜の美しさに魅せられて歩き回って描き上げた「海津と桜並木」(7.36㍍×1.8㍍)は国会議事堂内の壁面に展示されている。
中路さんは、これまで描いてきた風景が、時代の流れとともに失われていくのが残念でならないという。
「滋賀の風景をそれぞれの時代ごとに残していきたい……その時々に描いた作品を集大成して、個展が開ければと考えています」

文化功労者に選ばれ

「薄日」150号
写真提供:東近江市近江商人博物館

1997年、晨鳥社の会長に就任、後進の育成に力を注いできた。さらに2008年から4年間、京都府日本画家協会理事長も務めた。現在は日本藝術院会員で日展常務理事を務めている。
日展文部科学大臣賞など数多く受賞し、昨年「文化功労者」に選ばれた。
「その時々に精一杯にやってきたことが、たまたま結果につながりました。ありがたいことですね」
(取材・鋒山)

 

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