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修行の賜物 範士八段 生涯「剣道」を求める

掲載日: 2020.10.26

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剣道 範士八段 重松 隆(しげまつ たかし)さん(大津市在住)

県剣道連盟副会長を務める重松隆さんは今年5月、全日本剣道連盟主催の剣道称号審査会で「範士」に選ばれた。剣道家なら誰もがあこがれる最高位の「範士八段」を取得している人は、剣道人口約100万人のうちわずか60人ほど。滋賀県で誕生したのは28年ぶりのことで、生涯スポーツといわれる「剣道」の素晴らしさを教えている。

動く芸術

重松さんは教士七段から2000年八段審査に合格し教士八段となったが、その合格率は1%未満といわれる狭き門だ。さらにその上の範士八段になるためには教士八段での経験が8年以上必要で、全日本剣道連盟主催の審査を受けて選ばれなければならない。「範士八段は動く芸術といわれ、見る人に感動を与えます。段位は自分が努力し技を磨いて取れますが、範士は『いただくもの』。ありがたいことです」
大分県中津市出身の重松さん。子どものころは近くの山で友達とチャンバラごっこなどをしてよく遊んだが、貧血気味な身体だったので母親の勧めで小学校5年ころから剣道を習うようになった。道場に入ると靴を揃え「今日もここで稽古させていただきます。よろしくお願いいたします」と感謝の気持ちで一礼し、勝負が終わると相手に対する尊敬の念を一礼で示す。礼は自分の心や気持ちを態度として表すもので、それを整えないといけないと悟った。中学1年で初段に合格したが、昇段するに連れてただ当てるだけの剣道ではなく、無駄な動作のない正しく強い剣道を目指すようになった。1971(昭和46)年剣道の強豪中津工業高校を卒業し、実業団トップレベルの実力を持つ東レ滋賀事業場に入社した。

心に残る優勝の数々

東レ寒稽古集合写真

仕事を終えてから毎日1時間半ほどの稽古は大変だったが、大きな声を出すと仕事の悩み事も忘れスカッとした。重松さんはこれまでに数々の実績を残してきたが、特に思い出深い競技大会が二つあるという。一つは1981(昭和56)年開催の滋賀国体で優勝したことだ。開催の1,2年前から週末は遠征ばかりで仕事も忙しく、体がへとへとになった。しかも開催半年前に足の指の間が裂ける大けがをして2週間練習ができない状態になり、座って素振りをしたこともあった。勝ち抜いて優勝したとき、妻と応援に来た息子(5歳)の「お父さん強いなぁ」という大きな声が聞こえ、今までの苦労が一気に報われた。「理解し協力してくれた家族や周りの人たちに感謝の気持ちでいっぱいでした」
もう一つは東レ滋賀事業場の監督であり大将も務めた全日本実業団剣道大会だ。「32歳のとき、精神的な重圧がかかる中で優勝を果たし、その後2連覇して1年後また優勝しました。日々の厳しい稽古で成長した若手選手と共に戦っての優勝は嬉しかったです」

「剣は心なり」生涯剣道を求めて

アトランタで指導する重松さん

強い相手に打たれると気持ちが焦り空回りして無駄打ちが多くなる時期もあった。「相手の出方を考えるより、自分の不安や欲といった心の迷いを整理して試合に臨むことが大切だと思いました。自信が持てるようになると、打つべきときがくると自然に体が反応するようになりました」
県内外や海外での指導も多くなったが、未来を託す子どもたちにもっと剣道の礼法を知ってほしいと願っている。「幕末の三剣士といわれた大分県出身の剣豪島田虎之助は『剣は心なり 心正しからざれば 剣また正しからず。剣を学ばんと欲すれば まず心より学ぶべし』と言っています。小さいころ稽古の前に唱和していたこの言葉をたくさんの人に広め、健康に気をつけながら生涯剣道を求め続けていきたいと思っています」

●お問い合わせ
重松隆
大津市大石中5-8-12
TEL:077-546-9155

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