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伝統を引き継ぎ30余年 今も変わらぬ「小幡人形」

掲載日: 2020.12.21

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小幡人形9代目当主
細居 源悟(ほそい げんご)さん(東近江市在住)

滋賀県の郷土人形「小幡人形(おばたでこ)」の「俵牛」が、2021年の年賀切手のデザインに選ばれた。小幡人形は約300年前、現在の東近江市五個荘小幡町で細居家の初代・細居安兵衛が作り始めたと言われる。後継者不足のため同業者は減り、現在制作しているのは、本家の9代目当主・細居源悟さん(81歳)ただ一人だ。小幡人形が年賀切手のデザインに選ばれるのは1992年の「桃持ち猿」以来29年ぶり3回目。伝統ある小さな郷土人形が再び脚光を浴びている。

大量生産できない一点物

中山道沿いにある細居さんの工房には約400種類の小幡人形が並び、ときおり観光客が立ち寄り買い求めて行くこともある。代々受け継がれてきた土の型を使い、特殊な顔料で自分好みの色を調合しながら、一筆ずつ描いては乾かす作業を繰り返し仕上げていく。3日に1体出来上がる程なので、大量の注文には応じきれないこともある。
「年賀切手のデザインに選ばれて日頃の苦労も飛んでいく思いです。作っているのは私一人しかいないですから」と細居さん。

伝統を守る

子どものころから父の人形作りを見て育った細居さん。収入が不安定なので定年まで繊維会社に勤めながら人形作りを手伝った。1989年に父が亡くなり、今日まで続いてきた小幡人形を絶やしたら自分の責任、と後を継ぐことを決心した。地方の郷土人形を調べたり、郡上八幡の日本土鈴館に何度も通い館長に話を聞いたりして勉強した。1992年の年賀切手に「桃持ち猿」が選ばれたときは、年賀切手とそのデザインの実物を集めている愛好者らから注文が相次ぎ、小幡人形の名前が全国に広まった。
「2015年6月には成安造形大学付属近江学研究所が主催する連続公開講座で小幡人形の魅力を紹介し、絵付けを実演しました。皆さんが少しでも郷土人形に興味を持ってくださるとうれしいですね」

人形文化を世界に紹介

左:桃持ち猿 中央:饅頭喰い人形 右:一本刀力士

現在近くに住む息子の細居禎浩(よしひろ)さんが自営業のかたわら人形作りの修業を積んでいる。型を自宅に持ち帰り、作った作品を細居さんが指導している。ホームページを立ち上げインターネットでの販売も始めた。
今年、外務省が所管する独立行政法人国際交流基金の巡回展「日本人形」に小幡人形が選ばれ、これから10年以上かけて日本大使館がある世界の国々で紹介される予定だ。「饅頭喰い人形」と「一本刀力士」の2点が、人形にまつわるエピソードなどを書いた文章と一緒に展示されている。「舞台は世界。これからの反響が楽しみです。伝統工芸品を大事にする気持ちをたくさんの人に持ってほしいです。注文くださった人形を送ると、思い通りの作品が届いて満足ですという礼状や電話を必ずいただきます。時間をかけ精一杯仕事をして仕上げた作品には人の心を惹きつける力があると思います。忙しい毎日ですが、健康に気をつけ
丁寧に制作し続けていきたいです」

●お問い合わせ
滋賀県東近江市五個荘小幡町808
細居源悟
TEL:0748-48- 4075

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