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力士の締め込み  手織りで20年 山門で伝統守る

掲載日: 2016.07.1

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締め込み織師 中川 正信さん (70歳・長浜市在住)

本場所の土俵で幕内の力士が腰に締める「まわし」のことを「締(し)め込み」という。西浅井町の「株式会社おび弘」の山門(やまかど)工場の中川正信(なかがわ まさのぶ)さんは、全国的にも珍しい手織りの締め込みを20年間も作っている。横綱の日馬富士(はるまふじ)は十両から愛用するなど、中川さんの締め込みを愛用する力士は多い。伝統を伝えるため工場見学も積極的に受けている

 

足がけいれんするほどの重労働

おそらく日本で1台しかない手織専用織り機で締め込みを織る中川さん。今はほとんどが自動織機で織られている中、伝統的なものを残したい一心で続けてきた。
得意先から頼まれて、先々代の社長である池口国蔵(いけぐち くにぞう)さんが昭和24年から締め込みを織る仕事を始めた。中川さんは昭和44年に結婚。妻がおび弘の親戚だったので京都の帯メーカー・おび弘の山門工場で働くようになった。それまで魚の卸し業者の仕事をしていたので初めて見る「はた織り機」に戸惑ったが、「どんな仕事でも一から始まる。一生懸命やるしかない」と、技術や感覚を必死で覚えた。最初は着物の帯を織っていたが、20年前からは締め込みを織るようになったという。
中川さんが使っている織り機にはメモリやダイヤルがついておらず、自分の手の感覚や長年の勘が頼りだ。絹は湿気を吸うと伸び、1mmずれても生地の表面が波打つので「硬すぎず柔らかすぎず」に仕上げるため、手で押さえて調整する。
縦糸は15,000本の羽二重で30,000本、これを足で板を踏んで上げるのでかなりの重労働だ。夜、寝ているときに足にけいれんが起こることもあるという。緯糸(よこいと)は5種類の太さの違う18~21本の糸を合わせて使う。それから縦(たて)糸の間に緯(よこ)糸を通すのに使われる杼(ひ)という道具を滑らせながら、30~40㎏もある重い框(かまち)を押したり引いたりして織る。
力がいるので昔は男性がペアになって30分交代で織っていたが、今は一人で30分織って10分の休憩を繰り返すが、30分でも12cmほどしか織れない。締め込みの長さは7メートルほど。元横綱の曙(あけぼの)のときは10メートル以上織ったと言う。
「手織りの締め込みは絹の美しい光沢があって肌触りがよく、しなやかで締めやすい。手足が痛いこともあるが職場に入ればスイッチが入ります」

雲の上の人がつけてくれる

織り上がった生地

普通の場合、注文は本場所の番付が決まってから来る。前回の5月場所は3本織った。休日なしで5~6日間、朝5時から夕方5時まで織ってやっと1本を仕上げる。
後援会や仲買人から仕事が来るので、どの力士の手に渡るのかわからないが3~4センチの金糸の目印や色で大体分るようだ。場所が始まり、テレビ中継で自分の織った締め込みを締めた関取を応援するのが楽しみで、もちろん優勝してくれるとうれしい。
朝青龍(あさしょうりゅう)は触り心地がいいと気に入ってくれ、仲買いなしで2~3本注文してくれた。魁皇(かいおう)や曙は色が薄くなるまで長年つけてくれた。日馬富士は十両から使ってくれ、だんだん昇進して横綱になったときはうれしかった。
「雲の上のような皆さんが身につけてくださることに感謝です。ボタンひとつでできる自動織機の締め込みよりも、手織りがいいという力士が100人のうち10人ほどでもあればうれしい。コンビニの機械でにぎったおにぎりか、母の作った愛情のこもったおにぎりかという感覚でしょう」

自然いっぱいの山門の地から発信

「山門水源の森」入口

長浜市西浅井町山門は山門水源の森などがあり自然にあふれている。はた織り機がずらりと並ぶ工場は全国的にも珍しく見学に来る人も多い。
「昔は織物技術を盗まれると関係者以外は立ち入り禁止でしたが、こうした伝統的なものを滋賀県の自然の中で作っていることを多くの人に知ってほしいと考え、見学者を受けています。実物を見て興味を持ってほしいです」
見学希望者はおび弘のフェイスブックにてたびたび告知される団体見学受付情報を参照してほしい。
(取材・鋒山)

● 問い合わせ先
株式会社おび弘
京都市北区紫竹牛若町29
TEL:075-491-4311
(電話受付)祝日を除く月~金、9:00~17:00

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