切り絵作家
shimesheep(シメシープ)吉田 祥哉さん(長浜市在住・29歳)
江戸時代の画家、尾形光琳の「紅白梅図屏風」や「風神雷神図屏風」に独自の解釈を加え、切り絵を重ねて立体感を持たせるなど切り絵ならではの技法を駆使して作品を完成させた吉田祥哉さん。切り絵の世界に新たな風が吹き始めた。
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江戸時代の画家、尾形光琳の「紅白梅図屏風」や「風神雷神図屏風」に独自の解釈を加え、切り絵を重ねて立体感を持たせるなど切り絵ならではの技法を駆使して作品を完成させた吉田祥哉さん。切り絵の世界に新たな風が吹き始めた。
今春、長浜市高田町のさざなみタウンで吉田さんのミニ個展が開催され、多くの市民らが鑑賞に訪れた。
尾形光琳筆の「紅白梅屏風」や「風神雷神図屏風」を独自の見立てで扇面に表現した切り絵、「紅白梅図屏風 切芸改新」や「風神雷神 薫風の誘い」はひときわ注目を集めた。
1ミリにも満たない繊細な線と透き通るような色紙との組み合わせが、江戸時代の名作を現代に蘇らせているかのようだ。
小学生の頃から絵を描いたり漫画を描いたりするのが好きだったという吉田さん。自宅には切り絵作家になることを予感させる、当時描いたおびただしい数の”作品”が保管されている。
高校時代、今も中高生を中心に圧倒的な支持を得ているTOKYO FMをキー局としたラジオ・バラエティー番組「SCHOOL OF LOCK(スクール オブ ロック)!」のイラスト募集に、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」の主役を演じた能年玲奈のイラストを送り、月間最優秀賞に輝いたこともある。
京都橘大学で経営学を学ぶ傍ら美術サークルに入り風景画を主に描いていたがなぜかしっくりこなかった。そんなある時、部室に飾ってあった1枚の切り絵に目が留まった。幾何学模様やシルエットの美しさに「切り絵は面白そうだな」と思った。それ以来、切り絵の作品展を見に行くなど独学で技術を磨き、公募展などに積極的に出品。
2018年9月、卒業旅行で訪ねた屋久島の縄文杉をモチーフにした作品を京都の画廊で発表。この作品が作家shimesheepとしてのデビュー作となった。
吉田さんは社会人としての仕事をしながら、休日には作品づくりに没頭する日々を送っている。
「自分がイメージしたことが切り絵で表現できたときが一番嬉しいです。立体感を持たせる工夫や色彩の研究にも力を入れていきたい」と話す吉田さんだが、切り絵教室の講師やワークショップの開催など、切り絵の普及活動にも努めている。
「切り絵は紙とナイフがあれば誰でも手軽に楽しめるアートです。切り絵のランプシェードやキーホルダーなどを作ってみませんか」
(取材・髙山)
●お問い合わせ
mail: shimesheep@gmail.com
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