滋賀県の観光ガイドやエリアガイド、グルメガイドなら滋賀ガイド。地域情報満載です!

滋賀ガイド!

滋賀ガイド!トップへ

前のページへ

掲載日: 2006.05.24

素敵な人トップ

「素敵な人」の投稿は → こちら

「近江猿楽 多賀座」座長 土田雅孝さん

「近江猿楽多賀座」座長
土田雅孝さん(56歳)

今回の素敵な人は「近江猿楽 多賀座」座長の土田雅孝さん(56歳)。能・狂言のルーツといわれる「猿楽」を復興させるため「近江猿楽 多賀座」の活動を続ける。子供から大人まで大勢のスタッフとともに新しい「猿楽」を創造する。

能や狂言のルーツ

「猿楽」は奈良時代に中国から伝わった芸能で、能や狂言の形成に大きな影響を与えたといわれる。南北朝時代から室町時代初期にかけて人気が高まり、国内各地にいくつかの猿楽座が存在していた。滋賀県では日吉大社に参勤する上三座と下三座とあわせて六つの座があり、これらを総称して「近江猿楽」と呼んでいた。中でも多賀町にあった「みまじ座」は最も古い歴史を持っていたという。
多賀町観光協会に勤務する土田さんは、多賀町が「近江猿楽」発祥の地であることを誇りとし、猿楽の復興を目指している。1993(平成5)年に多賀町住民を中心に結成された「近江猿楽 多賀座」は、5年後には多賀大社の万燈祭や多賀町ふるさと祭りなどで「多賀大田楽」を上演。現在も多賀大社をはじめ各地のイベント会場などで上演し、話題を呼んでいる。

手探りでの挑戦

研究や試行錯誤を重ねて活動を続けてきたが、始めは資料も少なく苦労したという。「600年前の芸能がどんなものだったのか分からず、手探りでのスタートでした」と振り返る。最初に取り組んだのは「大田楽」。「大田楽」とは「猿楽」に近いといわれる「田楽」を現代風にアレンジしたもの。土田さんは「大田楽」を創作した和泉流狂言師・故 野村万之丞氏に指導を仰ぎ、長期間かけて猿楽の基本を学んだ。そして座員とともに基礎を踏まえながら現代風の猿楽「平成猿楽」の創造を目指している。

すべてが手作り 見て楽しい、演じて楽しい芸能

現在の座員数は大人30人、小中高校生30人。週1回の活動は「踊り」「和楽器」「大道芸」「造形製作」といったパートに分かれて行われる。音楽や踊りはメンバーが創作し、舞で使われる龍神や獅子頭などの道具や衣装もすべて手作り。そのため制作には多くの人手が必要で、大きなイベントでは地域の人々や地元企業、県立大学の学生らに協力してもらい、総勢100人以上が携わるという。「大勢の人が力をあわせて作り上げる喜び、達成感は他では味わえないもの」と土田さん。子供たちも「練習は厳しいけど楽しい!」と目を輝かせる。
「敷居が高く感じられる伝統芸能ですが、さまざまな趣向の芸能を組み合わせて自分達の興味のあるものを演じたい。そうすれば『演じて楽しい、見て楽しい新しい芸能』が創れます」と土田さん。多賀町に伝わる歴史と多賀座の活動に心を打たれた。  (取材・川上)

素敵な人トップへ

本ページの情報は作成時のものであり、変更されていることがあります。あらかじめ御了承ください。

おすすめ情報

クルマでおでかけ!湖国ドライブガイド

おすすめアルバム

今週のプレゼント

おすすめランチ

Copyright © Yamapla Corporation. All Rights Reserved.

滋賀県のプランニングとデザイン、ホームページ制作をサポートする株式会社ヤマプラ