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掲載日: 2008.11.26

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ボランティア110番動物園 園長 有城 覚さん(東近江市在住64歳)

自費で「ボランティア110番動物園」を作り、捨てられた動物の保護や飼育をしている有城覚さんが今回の素敵な人。07(平成19)年には、1年で最も大きな感動を与えた市民に贈られる「シチズン・オブ・ザ・イヤー賞」を受賞。動物園で飼育中のところにお邪魔し、お話を伺った。

2年かけて動物園を手作り

ボランティア110番動物園内

山や田んぼに囲まれたのどかな東近江市山上町にある110番動物園。京都府警の警察官だった有城さんは04(平成16)年の退職を機に、退職金をはたいて東近江市に300坪の土地とトラックを購入。廃材を利用して自分で動物小屋を作り、06(平成18)年に動物園を開園した。
動物園には「落とし物」として警察に届けられたネコやイヌ、リクガメ、モルモットなど約40種類150匹の動物が飼育されている。中には耳を切られたウサギや接着剤で目をふさがれたネコなど、人間から虐待を受けた動物もいる。
また、全国各地の幼稚園や学校に出向き、移動動物園を開いて命の大切さを教えている。

行き場のない動物を助けたい

有城さんが動物の保護活動を始めたのは、警察官になったばかりのころ。初めて交番に配属された日、小学生の女の子がケガをしたキジバトを助けてほしいと有城さんのところにやって来た。
しかし、その時は動物に関する知識が何もなく、子どもたちの目の前でキジバトを死なせてしまった。
申し訳ないという思いと自分の無力さを感じた有城さんは、休みの日を利用して京都市動物園に通い、飼育方法やケガの手当ての仕方を学んだ。
その間にも交番にはケガをしたり捨てられたりした動物が持ち込まれてきた。そして、そのほとんどが処分されてしまう現実を知り、できる限り自分で助けたいと考えるようになった。

多いときには、250匹も飼育

現役時代、講和中の有城さん(2004年)

有城さんは、交番に持ち込まれた動物を自宅で飼い始め、その数はどんどん増えて行った。給料のほとんどが動物のエサ代に消えていったため、妻・繁子さんのパート代で家計をやりくりしなければならなかった。
家は動物であふれ、一家4人は台所で生活するという有り様だった。
この状況を妻の繁子さんは理解してくれたものの、思春期だった子どもたちは口も利いてくれなかったという。そればかりか、高校生で長女の加織さんが動物アレルギーによる気管支ぜんそくで倒れてしまった。
「家族には不自由な思いをさせてしまった」と有城さん。
しかし、加織さんも長男の秀春さんも成人し、動物とのふれあいで喜ぶ子どもたちを目にする機会がふえると、有城さんの活動を理解してくれるようになった。有城さんは「娘や息子に理解してもらえるようになったときは、本当にうれしく思いました」と話す。

心を育てる教育が必要

以来、20年間にわたって開いてきた移動動物園は、今年の11月でちょうど800回になった。有城さんは動物とのふれあいの前に、必ず講話の時間を設け、命の大切さと、自分の体験談を語るようにしている。
「動物はいつか死んでしまいます。だから、ただ単にかわいがるだけでなく、彼らの死と向き合うことが大切です。そうすることで子どもたちも成長していきます。動物の力を借りて子どもたちの心を育てていきたいのです。動物が幸せにならないで、人間だけが幸せになるなんてありえません」と語る有城さんの言葉がとても印象的だった。
(取材・澤井)

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