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掲載日: 2009.01.14

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三島池ビジターセンター 田中 萬祐さん(69歳・米原市在住)

米原市夫馬で「三島池ビジターセンター」の責任者を務める田中萬祐さんが今回の素敵な人。
田中さんはホタルの観察や、野鳥の観察を行うほか、米原市の「きゃんせの森」で子どもたちの森林体験をサポートし、子どもたちが自然の中で環境を考える心が育つよう、指導を続けている。きゃんせの森でお話を伺った。

語りべになり伝える

「先生、これは何?」「こんな虫がいるよ!」「うわぁキノコだ!」と、元気な声が森のあちらこちらから聞こえてくる。
田中さんがこの日、指導していたのは彦根市内の小学校1年生だった。
「この森には、アベマキのドングリのほか、あと2種類のドングリがあります」と田中さんが説明を始めると、子どもたちから「これは何の種類?」と矢継ぎ早に質問が返ってきた。「子どもたちは好奇心旺盛ですからね。何でも知りたいし、聞きたいんですよ」と、田中さん。
自然や環境のことは、背伸びをしないで気楽に「語り部のように伝えていきたい」という田中さんの笑顔はとてもステキだ。

公害と環境

田中さんが環境に関心を持ち始めたのは、水俣病やイタイイタイ病が問題となり、公害教育の必要性が問われ始めたころで、もう50年も前のことになる。
当時高校の理科教諭だった田中さんは山好きで、山岳部の顧問をしていた。山に登るたび、自然が徐々に変化するのを感じるなど、身近な環境破壊への不安はつのった。
退職後もリサイクル活動に従事するなど、田中さんの環境への関心は高まった。
そして08(平成20)年、それまで行政が行っていた三島池ビジターセンターの管理が打ち切られることを知った田中さんは「誰かが身近な自然を管理しなければ」とNPO法人を立ち上げ、業務を引き継いだ。

観察することから見えてくる変化

ビジターセンターを訪れる人たちとコミュニケーションをとるうち、子どもたちの自然に対する感性や感覚が希薄になっていると気付いた。そこで、きゃんせの森での森林観察の案内も始めることにした。
自然への関心が希薄なのは、親の世代も同様だった。山や森へ行った経験も、まして魚を手づかみしたり、カブトムシやオニヤンマを捕まえる体験もない大人がほとんどだった。
「自然と接し、一つの物事をじっくり観察すると、そこから変化が見えてきます。私も3年前、霊仙山で、餌を求めた鹿が山頂付近で群れをなし、登山道をふさぐといった、今までに見たことのない光景に出会い、自然界の大きな異変を感じました。何か変だ、と気付くことこそ大切なのです」と田中さん。

自然は面白い

自然環境を理解するには、じっくり、ゆっくり自然の中で過ごし、自分の足で野山を歩き、花を眺め、周囲の生き物の息づかいを感じることが大切」というのが田中さんの持論だ。
「森の中に入れば、聞きたいこと知りたいことがたくさんあります。まず、先生や親御が自然のおもしろさに気付き、子どもたちに語りかけてもらうことです」と田中さんは力説する。
田中さんの話に感動し、この活動によって自然や環境に関心を持つ子どもが一人でも増えることを心から願う。
(取材・高原)

 

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