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掲載日: 2010.10.27

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國門 登美恵さん(彦根市在住・62歳)

和紙を使い、粘土の人形とは一味違った「温かみ」を持つ創作人形を作り続けて30年。着物や服、小物にもこだわり、見る人の心を和ませている。

手間と時間をかけて

國門さんが作っているのは「張抜胡桐塑人形」。ひな人形などに用いられる伝統的な工法で、中身が空洞になっている。まず、粘土で人形を作り、表面に湿らせて柔らかくした厚紙を接着剤で張っていく。乾燥させた後、半分に切って中身の粘土の人形を取り出し、さらに内側に厚紙を何度も張り付けて合体させる。表面に桐塑(桐の粉)に糊を混ぜたものを塗りつけ、最後に胡粉(貝殻を焼いて作った白色の顔料)を何十回も塗って光沢を出す。
非常に手間のかかる作業だが、軽くて「粘土の人形よりも温かみが感じられる」(國門さん)人形に仕上がるのが特徴だ。

きっかけは子どもとの粘土遊び

30年前、子どもと一緒に粘土で人形を作ったのがきっかけだった。もともと物づくりが好きだったため夢中になり、粘土の人形教室に通い、さらに日本創作人形学院(本部・東京千代田区)の通信教育を5年間受講して、名古屋の教室に10年間通った。その後京都の教室で「張抜胡桐塑人形」の工法を習得、現在は長浜・彦根などで教室も開いている。
どんなテーマでどのような人形を作るか、イメージを膨らませる過程を一番大切にしている。想像したり資料で調べたり……納得いくまでとことん時間をかける。人形の服やかばんなどの小物にもすべてこだわる。もちろん一つ一つ手作りだ。このため、1体作るのに早くて2カ月、中には1年や2年かかるものもある。それだけに、でき上がったときの喜びは大きい。
「世界に二つとない自分だけの人形ができ上がり、自分の分身のようです。教室で教えていても作り手によって違う人形になるのが面白いです」
作った人形は家に飾る。見ていると心が癒やされ、日々の暮らしのパワーがもらえると國門さんは言う。
「人形が美しい、作る人の思いがこもっている、見ていると泣けてくる……そう言われたときが一番うれしかったです。人形は人に訴える力を持っているのだと思いましたね」

動きのある作品も

彦根市の夢京橋あかり館で先日まで開いていた作品展では、国宝「彦根屏風」に描かれている人物、浅井3姉妹や、花しょうぶ通りの現在は廃業となった和ろうそく店「蝋喜商店」の元店主など33点を展示して大好評だった。
特に彦根屏風の作品作りでは、文献を読みあさり、イメージを膨らませて制作に臨んだ。おかげで、張抜胡桐塑では表現しにくいとされる「動きのある姿」の人形になった。
現代的な人形にもたくさん挑戦しており、孫の可愛い姿も人形で表現した。
「これからももっと動きの大胆な力強さの感じられる人形を作っていきたいです。たくさんの人に安らぎや元気を与えられたらうれしいです」
(取材・鋒山)

 

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