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掲載日: 2011.11.30

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木工芸作家 宮本 貞治さん (大津市在住・58歳)

木目が生かせる拭漆で仕上げられた宝石箱や飾り箱、机やいす、棚……。そこには琵琶湖の水が見事に表現されている。滋賀県指定無形文化財保持者としても認定されている宮本さんの作品世界は見る人の心を潤してくれる。

木が語りかけてきた

「素材の木目を見ていたら琵琶湖の波が見えてきて、まさに、これだ!― と思いました」目指すべき作品世界を木に教えられたという。人間国宝・黒田辰秋氏の長男、黒田乾吉氏に師事。内弟子として10 年間勉強し、84 年に独立。その年、日本伝統工芸展に初入選、以来入選を繰り返し、88 年に日本工芸会正会員の認定を受けた。当初は作品を見た人から「黒田さんのお弟子さんの作品やね」と言われることが多く、「もっと自分らしい作品を作りたい」と思っていた。そんなころ、琵琶湖の水面を見ていて作品作りのヒントがひらめいた。「船が進んだ後の波がとてもきれいで、これを是非、取り入れたいと思いました」

求める作品ができたのは独立後10年

以後、琵琶湖の岸に寄せるさざなみや水面に広がる波紋などを好んで作品に取り入れるようになった。最初のうちは「削り」の深さの調節が難しく、木を加工する道具を自分で作った。仕上げは「拭漆」を施す。生漆を塗り、乾いたらサンドペーパーで研ぐ。この工程を30 回以上も繰り返す地道な作業で、生漆を塗れば塗るほど艶が出てきて木目が美しく浮かび上がってくる。自分が求める作品が何とか出来るようになったのは独立して10 年経った頃。04 年には、滋賀県指定無形文化財保持者に認定された。

作品の名前は、岩肌を流れ落ちる水を表現した「垂紋」、大海原の波のイメージを表現した「波濤紋」、琵琶湖の岸に寄せるさざなみを表現した「紋」とした。「昔は作りたい形を考えてから材料を探していましたが、今は材料を見れば完成品のイメージが浮かんでくるようになりました」イメージが湧いてこない時は、近くの温泉「比良とぴあ」に出かけ、湯につかりながら構想を練る。

木工のワクワク感を後世に伝えたい

父は家具職人で、近所に大工さんの仕事場や木工所があった。幼いころから木の仕事を間近に見て育ち、木からさまざまな形が生まれてくるのを見て胸がときめいた。木工の魅力を後世に伝えたいと、来年の4月からは京都に新しく開校する京都美術工芸大学で木工の指導に当た
ることになっている。
(取材・澤井)

 

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