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掲載日: 2012.03.6

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唐紙作家 野田 拓真さん(33歳)・藍子さん(33歳)(東近江市在住)

伝統的な唐紙の技法を学び、昨年5月に永源寺の山里に工房を構えた野田さん夫妻。共に版画を専攻したアーティストが、二人三脚で唐紙の新しい可能性を追求している。

きっかけは「世界で一つの包装紙」

唐紙は元々、「中国の紙」を意味する言葉。墨の吸収が良いので書画に使われ、平安時代ごろから日本でも作られるようになった。江戸時代中頃から版画を施してふすまに貼るようになり、今も寺院や茶室などで使われている。
2人が結婚したばかりのころ、「世界でただ一つのオリジナルの包装紙を作ってほしい」という依頼が舞い込んだ。
当時、夫の拓真さんは京都の唐紙工房で働いており、大学時代、版画を専攻する同級生だった妻の藍子さんは自分の思いをレリーフや体を使ったパフォーマンスで表現する活動をしていた。
藍子さんがデザインを考え、拓真さんが制作にあたった。この仕事に手応えを感じて、2人はふすまの制作に興味を持つようになった。だが、互いに求めるものは異なっていた。
藍子さんは今までに見たことがない斬新なものにしようとするが、拓真さんは伝統を重視した美しさにこだわる。作品が完成するまでの2カ月で、2人は共に大きく成長したと感じた。
「唐紙はこういうものだとの先入観を捨てたことで、新たな視点から唐紙を捉えるようになりました」と拓真さん。一方、藍子さんは「形になって初めて伝統の技が持つ美しさが分かりました」と振り返る。
2人でなら新しいことができると確信した瞬間でもあった。
夫婦で制作するが、お互いに一歩引いてシビアに取り組む。互いに認め合い、尊敬し合っているが、制作の過程ではけんかも絶えない。

唐紙で日々の暮らしに彩りを

昨年5月、永源寺近くの古民家を自宅兼工房にして、「野田版画工房」を設立した。唐紙を使った作品は珍しいこともあり、多方面から注目されている。また、1~2カ月に1度のペースで展覧会にも出展している。
唐紙は版木に顔料をのせて手でなでるように擦るので、絵の具がふっくらとのるのが特徴。手加減一つで風合いが変わってくる。一般的にふすま紙として使われる鳥の子紙を主に使用している。2人はふすまに限定せず、唐紙の新しい可能性も模索している。壁や天井にも貼ることができるという。両面屏風で結婚式のウェルカムボードを作ったこともある。
モチーフは「女の子」「ひらがな」「楽譜」など、色は赤、青、黄とカラフルで、見ているだけで楽しくなってくる作品が多い。
「作品が日々の暮らしに彩りを与えるものになればと考えています」と、野田さん夫妻は熱く未来を語る。
(取材・福本)

 

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