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掲載日: 2015.05.27

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観峰館 学芸員 寺前 公基さん(35歳)

東近江市の「観峰館(かんぽうかん)」は中国書画を中心に、約2万5千点の収蔵品を誇る博物館。和本・教科書やちりめん本などをとりあげたユニークな展覧会でも注目されている。今回の素敵な人は、学芸員になって6年目の寺前公基(てらまえきみもと)さん。中国書画の知識がないまま就任したが、専門外ならではの新鮮な発想で博物館の魅力をアピールしている。

研究者にはないやりがい

もともと中国書画はおろか、博物館の学芸員にも関心がなかったという寺前さん。子どものころから大河ドラマなどの歴史ものが大好きで、大学の先生になろうと、同志社大学文学部文化史学専攻を卒業。さらに、同大学院で日本古代史を専攻し、平安時代の貴族の自筆の日記を研究していた。
しかし、大学院時代に京都市の細見美術館で学芸員補助員のアルバイトを6年間したことが大きな転機となった。
「展覧会を企画する先輩学芸員の情熱的な姿や、喜ぶ来館者を見ているうちに、いつの間にか学芸員にあこがれるようになりました。資料を調べ、研究した成果を展覧会で多くの人に知ってもらう。研究者だけを相手にする大学にはない魅力を感じました」

データ入力で学ぶ

30歳を目前に学芸員として生きていくことを決意し、全国の博物館を受験したが、競争が厳しく採用されなかった。そんなときたまたまインターネットで観峰館を知った。中国書画の知識はほとんどなく不安だったが、思いきって応募し運よく採用された。
観峰館は「書の文化にふれる博物館」として20年前に開設されたが、知名度は十分ではなかった。
やらなければならないことがたくさんあった。まず、完成していなかった収蔵品のデータベース作りに集中。作品の情報を細かく入力し、展覧会ごとに写真を撮って資料を蓄積していった。
その結果、専門外だった中国書画の基礎知識を身に付けることができた。収蔵品の概要もつかめるようになり、やりがいを感じるまでになってきた。

門外漢だからできる発想

10月2日にオープンする新館

入館者を増やすためには、もっと魅力あふれる展覧会を開く必要がある。
観峰館は中国近代書画には強いが、ややこれに偏っているきらいがあった。門外漢の自分の立場を逆手にとり、人が手をつけていない企画を考えるように発想を転換した。
「専門家ではないので一から勉強しましたが、プレッシャーがありませんから、違った発想ができます」
まず、所蔵品で手付かずだった日本の書や、江戸時代以降の出版物、歴史資料を整理。欧文挿絵本「ちりめん本」の展覧会や本に描かれた落書きだけを集めた展覧会を企画した。所蔵品だけでは限界があったので、限られた予算をやりくりし、外部から優れたものを借りてきて展覧会を開いた。
今、開催中の「春彩(はるいろ)の美人」の企画では近隣の竜田神社所蔵の「三十六歌仙色紙」を借用して公開し、展示に広がりをもたせている。
「書の博物館は全国に約10館ありますが、当館の中国書画、和本・教科書コレクションは質、量とも全国に誇れるものです。10月2日から温度、湿度等の環境を整えた素晴らしい新館がオープンし、特別企画展『華麗なる清朝後期の書画 ―ラストエンペラーの時代―』を開催します。ご期待ください」
(取材・鋒山)

 

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