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掲載日: 2015.06.3

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山門水源の森を次の世代に引き継ぐ会 藤本 秀弘さん(72歳)

ブナの老樹と

長浜市西浅井町の「山門(やまかど)水源の森」。森の中心にある山門湿原には貴重な植物が残っており、環境省の「日本の重要湿地500」に指定されている。40年間放置され荒れ果てていた森を蘇らせたのが、地元の人たちや森を愛する人たちでつくる「山門水源の森を次の世代に引き継ぐ会」だ。長年、会の活動に携わってきた藤本秀弘(ふじもとひでひろ)さんに話を聞いた。

植物に興味なかったが

炭窯復元作業

食害防止ネット設置作業

高校教諭の藤本さんのもともとの専門は地学。「植物の背景には地質があるから」と請われて「滋賀自然環境研究会」に入会した。月1回の研究発表は植物の話がほとんど。植物には全く興味がなかったが、山門湿原の地層に興味があり、メンバーと森を歩くようになった。1987年に、山門湿原に関心のある鳥、昆虫、植物などの専門家たちと「山門湿原研究グループ」を結成し調査を開始した。
森には多様な生物が生息し、サギソウやミツガシワなど、県内でここにしかない植物や珍しい生き物がいることを知り、次第に自分の中で関心が高まってきた。
かつてこの森は炭焼きのために人の手が入っていたが、1960年ごろから放置され荒れ放題になっていた。1991年には、この森がゴルフ場になるという話がもち上がった。このままでは貴重な自然が消えてしまう……。グループは、山門湿原の森を残してほしいと県に要請した。
地元の西浅井町(当時)にも森の重要さを聞いてもらい、メディアもこれを取り上げてくれた。開発は中止となり、県がこの森を買い取って一般公開することに。同時に研究会の提言が受け入れられ、「山門水源の森」として整備された。
2001年には研究会のメンバーらが「山門水源の森を次の世代に引き継ぐ会」を設立、森のパトロール、観察コースの整備、来訪者の案内を開始した。

シカ対策も地道に

資材の湿原への運び上げ

湿原の積雪調査

当時、藤本さんは教師の仕事のかたわら、年間50日ほど森に通った。家から草刈機を持って来て草を刈った。雑草が減ってくると、最初は20株ほどしかなかったササユリがあっという間に増えてきた。
県内でここしかないといわれていたサワランも16株しかなかったが、種を県農業技術振興センター(近江八幡市安土町)で増やしてもらい、絶滅が回避された。
10年ほど前からシカが増えてきてササユリを食べるようになったので、金網をかけて保護。今ではササユリ一本ずつに金網をかけ約500株にまで増えた。大雨のとき湿原に土砂が入りこまないように、くいを打って土嚢を積み、小さなダムをいくつも手作りした。
こうした一連の活動が認められ、2014年、緑化功労者を表彰する県の「シャクナゲ賞」を受賞した。

健康の秘訣は森に

ササユリ

定年になってからは、森に入る日は年に200日に及んでいる。家から車で片道1時間半。平日は1人だけの日もあって作業は大変だが、森がよみがえっていくのが楽しいという。花が咲くタイミングやトンボの羽化の時間をねらって行く。
春分の日の日の出の写真を森から撮るために朝3時に家を出たこともある。
「森へ行くとストレスが消えて、体調が良くなるんです」
(取材・鋒山)

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